先日、スキルス胃がんで胃全摘したユッキーです。
みなさん、覚えていますか。わたしはこのブログで、2024年の年初に「運動したい」と書きました(参照:2024年にやりたいこと)。それに向けてなりふり構わず着々と準備を進め、スイミングを始めようと一歩動き出したので、さらに加速させるべく、ここにこれを書き記します。
33年ぶりにスイミングを始めよう
なぜスイミングをやるのか
そもそも、なぜスイミングをやるのか。それを説明するには、小学校当時まで遡る必要があります。
わたしが地元・函館市のイトマンスイミングスクールに通い始めたのは、4歳の時でした。始めた当時の記憶はそれほど残ってはいませんが、飛び級して喜んだり、4泳法を覚えて、10歳ですべてのタイムをクリアし小学校クラスを卒業をしました。
いまも不器用で空気の読めない人間ですが、幼少期ももれなく同じだったと思います。そんな中、チームプレイではなく個人競技で、さらに小学生にしては体格が良く、肥満気味で浮力と体力があったことが幸いして、パワープレイで10歳で卒業を迎えたのだろうと思います。
卒業時だったかいつだったか、すっかり忘れてしまいましたが、当時レッスンを担当していたコーチから「選手コース」に誘われたのは覚えています。
選手コースに呼ばれるくらいスイミングのセンスがあった、かは自分ではわかりません。スイミングスクールも営利目的でしょうから、卒業→サヨナラではなく、卒業→レッスン継続、という作戦もあるとは思います。まあ、そんなことはどうでもよく、スイミングが好きだったわたしは、選手コースに通いたいなと一瞬でも思いました。
しかし、そううまくコトが運ぶはずはなく…
わたしが卒業した分の月謝で、下の妹に通わせる、と親から言われてしまいました。詳しく覚えていませんけれど、「お金がない」と言われて育った長女は、モヤモヤを抱えブツブツ言いながら、引き下がるしかなかったのかもしれません。
いま、運動を始める目的は?
スイミングをリスタートさせる最大の目的は、スキルス胃がんの手術や治療、抗がん剤の副作用で低下した体力を取り戻すためです。
ただ、幼少期のスイミングを続けられなかった思いが、33年後のいまに続いているのは間違いありません。自分が「十分頑張った。もう満足だ」と自らの意思でやめるのと、「お金がないから続けられなかった」とでは、埋め切れないギャップが残ります。自分で判断して動ける大人ならまだしも、お金の自由がない子ども時代のことなら尚更です。
このネガティブな経験を回収したい。悔しく残念に思った幼少時代の気持ちを昇華させたい。それにより、人生の満足度を高めたい。そうするには「生きてるうちに、動けるうちに、やりたいことをやり倒すしかない!」と考え、悲願のスイミングを始めることにしました。うん、まさに「悲願」だ。33年も抱えてきた悔しさを、ここでわたしは挑戦しやり遂げるのだ!これが裏の目的だったりします。
(補足)
このわたしの記憶は曖昧な部分があるでしょうし、33年前の子ども時代のことですから事実を歪めて認識している箇所があるかもしれません。ですが、年月を重ねてネガティブに受け止めている事柄をポジティブに転換したく、ようやく一歩動き出しました。これもひとえに、いつ死ぬかわからん病気にかかったことに影響を受けているのは間違いありません。
ジムを探す
そんなわけで、水泳設備を備えたスポーツジムを調べてみました。すると、家から近いとは言い難い微妙な距離に、良さげな施設を見つけたんですよね。どうも競泳ガチ勢がいそうな雰囲気です。「思い立ったが吉日」という言葉があることですし、さっそく見学に訪れました。
すると、
- 大人向けの会員制ジム
- スイミングのレッスンがある
- マスターズ出場するガチ勢会員がいる
- トレーニングマシンや水泳設備が思った以上に大きい
- 駐車場が広い
といったポイントが気に入りました。
実は以前、横浜に住んでいた時にもスイミング設備のあるジムに通ったことがあるのですが、その時は水泳のレッスンがなく、完全にフリーで泳ぐしかなかったのです。なので、今回見つけた施設のように、スイミングのレッスンはかなりの魅力でした。
家から微妙な距離だけど、ここなら高い目標を持って通えるかもしれない。そう思い、見学後にそのままスポーツ用品店でスイムウェアの試着もしました。スパッツタイプの水着は初めてです。ただ、気に入ったカラーがなく、店頭にはぴったりのサイズもなく… スタートが遅くなるのはわかりつつもネット販売を探し、到着の日を待ちました。
水着を揃える
ネット注文したウェアは、ひとつずつ到着しました。まずはスイムキャップ、そしてゴーグル。このタイプのゴーグル、何年ぶりだろう!沖縄移住して10年間、ずっとシュノーケルばかりだったので、目の周りの圧迫感が懐かしくてテンションが上がります。
それにしても顔周りのクセ強すぎな頭髪… こいつをどげんかせんといかん。
その後、水着も到着しました。型落ちですが、ライトニングサンダーなデザインがすっかりお気に入りです。ヘビメタチックで一目でこれしかない!と運命な出会い。もやしのわたしにはこいつがいるのさ!軟弱な体には棘と鎖を!(そんなものはウェアについてない)
この水着、大会への出場が可能なタイプです。最近の水着にはFINAマークがつけられています。大会に出場する際は、水着の厚さ、生地の浮力など厳格なルールが設けられているそうです。水着によってスピードが変わるというのは知っていたけれど、そんなルールがあるんだなぁ。
スポーツジムの体験&レッスン参加
とある週末、スイミングのレッスン時間にあわせて、お目当てのスポーツジムを訪れました。週末の夕方に家と微妙な距離にあるジムを移動してみると、幹線道路が混雑し、想定以上に移動時間がかかりそう。でもいいのです、この時間を使ってバナナとカロリーメイトをお腹に入れ、スポーツジムで低血糖を起こさぬようにしよう。
プールサイドへ移動して、まずは久しぶりの水中の感覚を取り戻そうとウォーキング100M、そしてビート板キック50Mを試します。ビート板キックが思いの外しんどくて!大腿直筋の疲労をすぐに察しました。苦笑いしながら「きっつ〜!」とボヤきつつ、それでもビート板キックを続けました。
大腿直筋はしんどいけれど息は上がらなかったので、そのままゆっくりとクロール100M。25Mで息継ぎは2回から3回程度。2012年にシュノーケルした以来の水中ですが、思っていたよりも心肺機能は低下していないっぽい。よし、まずまずのリスタートを切れそうだ!
自主練のあとは、スポーツジムのレッスンに参加してみました。初級クラスでクロールを見てもらいます。33年ぶりにコーチに見てもらうと、
- 手の置き場が違う(そろえなくていい)
- 手で水をかく方法が違う(わりと外側をかく)
- 目線は真下を向く(前を向きがちなシュノーケルとスイミングは別)
- もう一歩、肩を前方に伸ばす(ストロークを前に!)
- 水柱の姿勢は、もっとお腹を伸ばす
- 力まず、頑張らず、ゆる〜っと泳ぐ
などの修正が必要でした。
33年前とは泳ぎ方が異なるのかもしれないし、小学生向けレッスンと大人向けは違うのかもしれない。時代の移り変わりだけでなく、33年の間に自己流でしか泳いでこなかったから、そのあたりも影響しているのでしょう。このあたり自分では気付かないので、レッスンを受けてよかったです。
初級クラスは泳ぎのスピードが遅い方が多く、他の方から「泳ぐのが早すぎる」と指摘もされたので、初級を何回か受けたのちは中級に移動した方がお互いのためだなと思いました。ただ、中級クラスのレッスン時間が微妙なんで… このあたりはわたしの生活とうまく見合わせながらやっていくしかないかなと思います。
体験レッスンを振り返り
スポーツジムの体験とレッスンを振り返っての一言は、すごーーーく楽しかった!これに尽きます。積年の思いにチャレンジすることは、とても爽やかでワクワクするし、とってもポジティブな気持ちになれました。水中で動き回るのが単純に楽しく「ワイは水の精!」と勘違いをしそうなくらい。いやいや、43歳の胃がんを抱えた、ただのオバサンだから…!
体験は夕方に訪れ、自主練・レッスン・自主練(レッスンを意識した復習)をして終わったのですが、当日から体が疲労感があり、翌朝は背中の筋肉痛、そして翌々日は両手足のダル重感がありました。すごい、体にビシバシと影響が出てる…!
ちなみに、体験をしにいった日の寝る間際の体です。
レッスン中、わたしに向けて「池江璃花子選手みたい」という声が聞こえたのですが、そんなわけはない!わたしのようなチンケな人間とは比較してはいけない!
病を抱え、病的に痩せたところは一緒かもしれないけれど、でも彼女は幼少期から天性の才能を花開かせた競泳のエキスパートで、白血病を克服した現在も記録を伸ばし続けている、もんのすごーーーい選手だから…!病から復活した20歳も下の池江選手。末端の水泳経験者として彼女の活躍を応援しているし、彼女の活躍を報じるニュースに心を震わせ勇気をもらっています。
わたしもゆるゆるとがんばろ。そう思いつつ、歯磨きしながらスマホで撮りました。もともとぽっちゃりだったのに病的に痩せてしまったから、脂肪がほどよく乗ったスイマー体型を目指しましょうね〜。
まとめ
ということで、わたしがスイミングを始めようとした理由とか背景とか、そういう執念のこもったナニガシを放出しました。
この記事を書きながら、ふと「子どもの頃にできなかったことを、回収する年齢になったのかもな」と思いました。こういうのって、わりと今やっても意味がなかったり、現在ではもうできなかったりとか、そういうことがあるかもしれません。でもわたしの場合、スイミングは何歳になってもできるんですよね。これはラッキーだと思いました。
この日のために、主治医には「運動しても問題ないか?」「スイミングをしてみようと思う」「目標は高く、マスターズを目指す!」と段階を追って話をしてきました。いずれも肯定的に受け取ってもらい、運動NGという話は一切ありませんでした。
10歳で諦めざるを得なかったことを、43歳からリスタートする。「やりたいことは、生きているうちにやり倒せ!」というのは、病気から学んだことのひとつです。おっしゃー!やったるぞー!!
とはいえ、今回の挑戦の最大の敵は、急な練習のしすぎによる関節痛などでしょう。怪我をすると年齢のせいで治りが遅く、練習が継続できなくなってしまいます。なので頑張りすぎずによんなーよんなー、それでいて個人目標をしっかりと据えてつつ、楽しみながらやっていければいいなと考えています。