5年生存率を上げるブログ スキルス胃がん闘病記

日々悩まされる、早期・後期のダンピング症候群とは?【スキルス胃がん】

巨大なパンケーキを食べるひよこのイラスト

先日、スキルス胃がんで胃全摘したユッキーです。

5年生存率を上げるブログ内の「わたしとスキルス胃がん」では42歳でスキルス胃がんになり、入院・手術・術後の抗がん剤治療をする中で思ったことをまとめています。今回は治療と生活を並行している際に、意図せず起こるダンピング症候群について触れてみたいと思います。胃全摘患者全員ではないにしても、このダンピングには大なり小なり影響を受けてたりしていたりします。ですが、これがなかなか理解されにくいので、一度吐き出してみようかなと思って記事化しました。

食後に調子が悪くなる、それがダンピング症候群

胃全摘したグルメブロガー的に「困ったなー」と思うこと。それは胃がないことではなく、食後の調子の悪さです。これ、何故起きるのかというと「血糖値の急上昇・急降下」が影響しているんですよね。かなりざっくりの表現ですけれども。

ダンピングについて、少し詳しく書いてみます。

胃があった時は、食べたものを一時的に胃で貯蔵し、胃酸で食べ物をどろどろにしてから少しずつ小腸に流していきます。膵臓から分泌するインスリンの働きでコントロールされているため、血糖値が急激に上昇しすぎず、ある程度上昇しつつも食後2時間ほどで元の数値まで戻る。これが一般の健康体な方の仕組みです。

胃無しになると、食べたものを貯蔵もできないし、胃で消化もできません。口で咀嚼した未消化の食べ物が、急激に小腸に流れ込んでいきます。この時の食べ物が胃から小腸へ急速に移動することで、浸透圧により血管から腸へ水分が移動したり、また腸の粘膜刺激によって消化管ホルモンが出されるのだそう。これにより不調につながるようです。細かいことまでは100%わかりませんが、消化してない食べ物が腸に入っていくことで何かしら体に負担がかかって不調につながりがち、という話なんですね。これが早期ダンピングです。

また、食後は普通なのに数時間後に急に体調不良が起きることがあります。これが後期ダンピングです。急に小腸に流れていった食事に対し、インスリンを著しく分泌してしまうことで急激に高血糖となり、その後2〜3時間経ったころに血糖値が急降下することで起こる不調です。これらは自分の意思では調整できるものではないと思います。

(参照元:伊藤博史さんの論文より)

体調悪すぎひよこのイラスト

青ざめる前に、ワイは気絶よろしく寝てしまう

ダンピング症候群の症状

ダンピング症候群と思しき症状が起こるようになったタイミングは、それぞれ別でした。早期ダンピングは割と早い段階から起こり、後期ダンピングは術後数ヶ月経過してから体験しました。この章ではどのタイミングでどんな症状が起きるのかを簡潔にまとめたいと思います。

ちなみにダンピング症候群という不調は、ひとことでは語れません。体験者じゃないとなかなか理解できないので、わたしはこの場で長々と説明をしていくのですけれども、生憎、わたしは医学的な知識は持ち合わせていません。もし誤った情報を見つけた方は、SNSなどを通じてご指摘ください。

早期ダンピング症候群の症状

早期ダンピングのタイミングは、食後30分ほどと言われています。実体験としても20〜40分後から起こることが多いです。わたしの場合、症状の後は30〜40分で体調回復する傾向です。発生した後はスケジュールが読めないので、ベッドで横になったまま耐えるしかありません。

早期ダンピングの症状としては、下記のような状態が起きがちです。

  • 全身症状(冷や汗、動悸、めまい、しびれ、だるさ、眠気など)
  • 腹部症状(腹痛や下痢、吐き気、嘔吐、腹部膨満など)

わたしの場合、糖分の多い食べ物によってフラつきや心拍数上昇が起きます。また、これがあってもなくてもお腹が下ってトイレか出られなくなります。反対に糖分が高そうな食べ物でも平気だったりして、全く読めません。おいおい、どうしろってんだ!笑

ちなみに…
主治医に相談した時に聞いたのは「早期ダンピングとは特定しにくい」とのこと。何故かというと、胃全摘が原因で起きている症状の可能性もあるし、早期ダンピングによる症状なのかもしれなくて、見分けがつけにくいらしいのです。このあたり個人的にもう少し深掘りしてみたいなーと思っているのですが、とりま、主治医の話を伺って「なんてこったい!めんどくさい体になっちまったもんだ!」と思いました。笑

後期ダンピング症候群の症状

後期ダンピングは食後2〜3時間後に起こるとされています。主な症状は下記です。

  • 頭痛
  • 倦怠感
  • 発汗
  • めまい
  • 脈や呼吸が速くなる …など

わたしが最初に後期ダンピングを経験したのは、手術から3ヶ月近く経過してからでした。ある日、普段通り過ごしていたところ、昼ごはん後の15時台に急に汗と手の震えが起こりました。「これは低血糖の後期ダンピングでは!?」と思い、糖分高めのおやつ(アイスとぶどうパン)を食べたのちに眠気が起き、3時間ほど横になりました。

その日の夜ごはん後にも後期ダンピングらしき症状が起こり、冷や汗とふわふわした感じ、手の震えが発生。翌日も同じように調子が悪く、1日を通してベッドで横になることが多かったです。

(参照元:徳洲会グループHPより)

座ってトイレで用を足すひよこのイラスト

OPPの時には笑ってらんないけどね

早期ダンピング症候群のツラいところ

食べてすぐ下痢

食後、お腹がピーピーするのは、胃全摘のがんサバイバーとしては仕方がないことと諦めていました。OPP(お腹ピーピー)が続くと、体力とメンタルが奪われ、トイレ後にベッドで横になって回復を待つことが多いです。その時に「このままでは社会復帰ができない」と強く思いました。だって、お取引先との大事な打ち合わせ中に、急に腹痛でトイレにこもるとか、社会人としてありえないでしょう?

社会復帰ができないと、所属先の会社を退職することになります。しばらく傷病手当金や失業手当で食い繋ぐとしても、いつかは終わりの期限がやってきます。それらの制度は最後の手段として残しつつ、なるべく早くに社会復帰を目指したほうが性格的にあっていそうな気がしました。

そう思ったのがきっかけで、自分の体に合う食べ物の探索をするようになりました。

由々しきトイレ問題

外食が多い我が家において、早期ダンピング症候群ですぐに下痢をしてしまうのは、かなり致命的です。特に那覇から沖縄中北部方面へ30〜60分かけて車移動して食べにいく時は、高速道路より下道を使わねば不安です。沖縄はSAが少ないので危ういのです…。

週末は家族でランチを食べにいく→そのまま帰宅せずに買い出し、ということがあります。この時、買い出し先がショッピングモール的な場所だとトイレも安心ですが、一般的なただのスーパーマーケットだとトイレ問題が発生します。トイレがわかりにくかったり、数が少なかったり、そもそも設備としてなかったり…

ひとりで外食する時も、万一に備えてコンビニがどこにあるか把握して運転するようになりました。公共交通機関を使う時は、食後最低でも1時間ほど様子を見てから路線バスやゆいレールに乗車しています。

朝・夜は自宅での食事率が高いのでまだ良いとして、ランチ後はお腹が下るのか下らないのか、どっちなんだい!?と思いながら、そわそわしています。一緒にランチを食べる友人・仕事関係者には、事前に「胃がないので、急にお腹が下ってトイレに行くことがある」と宣言しています。トイレからすぐ戻れないこともあるので、「わたしを待たずに、先に会社に帰ってね〜」と伝えるようにしています。

旅先でお腹シャーシャー

旅先でOPPどころかお腹シャーシャーになった経験の皆さんは、おられますでしょうか。わたしはなりました。この時は完全に食べ過ぎだと振り返りますが、おいしい食事に目が眩み…。これが完全に失敗でした。お腹のハンドリングができなくなり、お手上げ状態。夜中からの半日でトイレ10回とか、大変な目に遭いました。

こんな時のために病院からもらった整腸剤と、そして市販の下痢止めを購入していました。胃全摘しているわたしには、腸の動きを止める「ロペラミド」という成分が効率良いそうで、これが含まれる市販薬をドラッグストアで購入していたのです。確かにロペラミド入りの薬の後は調子が良くなって、長時間のライブも安心して参加できたし、帰りの飛行機も大丈夫でした。

この旅は徒歩移動メインだったので、急なOPPでもコンビニまで行ければ回避できたと思います。これが車移動で高速上だったら… わたしはトイレに間に合わず、社会的に死んでいたかもしれません。そうならないためにも、食べ過ぎには注意しようと学びました。好きに食べ飲みできないツラさもありますが、漏らすよりは全然マシですね。笑

家族と同じものが食べられない

週末ランチはお子サマーの好きな食べ物、すなわちラーメン率が高くなります。

ラーメンって、ほんとおいしいですよね。沖縄のラーメンはレベルが高くなり、かなりおいしくなっています。麺やスープはもちろん、トッピングにこだわりのあるラーメン店が増えてます。よかったら、わたしが食べ歩いた沖縄ラーメンまとめのブログを見てやってください。笑

ですが、胃無しのわたし的には、かなりデンジャーな食べ物です。麺類って食べやすそうに見えますが、咀嚼が難しい食べ物です。これ、食事中に口の中の様子をよくよく観察するとわかるはずです。細かく噛み切ることが難しいため、麺類は胃のない人間には負担のかかる食べ物となっています。実際、胃全摘からしばらくの間、麺類はドクターストップがかかりました。主治医から許可が出るまで、わたしは数ヶ月食べるのを避けていました。

また術後に食べ歩いた経験から、低加水・太麺は食道に詰まりやすそうだとわかったし、ピロピロ麺も詰まりやすそうに思っています。その上、ガッツリ炭水化物(=糖分)なわけです。わたしは糖分が多い食事でお腹が下りやすい傾向にありますから、気軽に食べに行けなくなりました。

ラーメンだけではなく、沖縄そばやうどんにも同じことが言えます。それで、ラーメンおよび麺類大好き小池さん的お子サマーとの外食に難儀しています。子どもってほんと炭水化物が大好きな生き物だよなぁ…

どなたか、ハーフ麺・麺抜き可能・豆腐置き換え可能・低糖質麺などの情報がありましたら、ぜひSNSにてお知らせください。ラーメンでも沖縄そばでも構いません。わたしも調査してはいますが限界があります故、何卒、何卒🙏

チャーシューたっぷりの豚骨ラーメンを食べるひよこ

ワイだって自由かつ豪快にラーメン啜りたいっす

後期ダンピング症候群のツラいところ

症状が出るのか?出ないのか?どっちなんだい?

後期ダンピングになるタイミングが全く読めません。抗がん剤を飲んでいる時になることもあるし、飲んでない時になることもあります。

食べ物によって左右されることも多いです。たとえば明らかに糖分たっぷりの丼ものを食べたら後期ダンピングが起きたけれど、同じ丼でも天丼なら起きないだとか。

同じく炭水化物系ですと、ラーメンを食べてなることもあれば、ならない時もあります。全粒粉の麺の時にはならなかったので、そこに何かしらヒントがあるのかもしれないと思ったことがありました。麺の成分まで追っかけないといけないのか…?かといって全粒粉っぽくないお店で食べた後には、後期ダンピングは起きなかったり。全然わからん。自分の体なのに読めないのです。

ひとつ確実っぽいのは、後期ダンピングになった日から数日は、起こりやすいということ。食べ合わせだけじゃなく、なんらかの体調の良し悪しで変調するのかもしれません。早期と比べると後期ダンピングの回数は比較的少なく、知見がたまっていないのでもう少し様子見をしようと思います。

猛烈に眠たくなる

寝不足続きのときのランチ後って、眠くなりますよね。寝不足じゃなくても眠くなる人だっているし、お昼休憩中に数十分デスクに突っ伏して休憩している人だっています。

ただ、後期ダンピングは根本的に異なるのです。自覚している眠気とは全く違う種類の眠気で、自分の意思とは違う力が働いているような感覚です。瞼が勝手に閉店ガラガラしてしまい、眠ってしまいそうになるというか。PC作業をしている時、15時くらいにスーッと目を閉じてしまい、「あれ?いま寝てた?」とハッとしたことが何度もあります。

この自分の意思とは違う力に抗うことができず、15時過ぎから90〜120分ほど昼寝をしてきました。ひどい時は3時間くらい寝てしまったりして。この無意識かつ猛烈に眠たくなる状態が続いてしまうと、社会復帰できないことになりそうです。それで、なんとかせなと焦っています。

めまいと視界が悪くなる

先日、外出している時に、これまでで最もひどい後期ダンピングを経験しました。

症状が起こる3時間前に、スタバのチャンククッキーを食べてみたのですけれども、この時は早期ダンピングが起こらず「お!今日は調子がいいのか、もしくはうまく食べられたんだな」と喜んでいました。その3時間後、お子サマーの習い事のお迎え時間に、急にめまいのようなフラフラ感が起きました。後期ダンピングだと思い、近場の自販機でジュースを購入し糖分を取ろうと試みました。

ですが、視界で見えない場所があったのです。説明しにくいのでイラストを用意しました。左が普通の自販機です。右がわたしの視界だと思ってください。

後期ダンピング症候群の症状で、自販機の商品が見えなくなった

コインの投入口はわかる。商品購入のボタンもわかる。なのに商品エリアだけがブラックアウトしたように見えなくなり、どれを買えば最適かもわかりませんでした。この時は本気でヤバすぎて、かなり焦りました。

その後、視点を変えると商品が選べそうだと気付いたので、変な位置に視点を置いて、視野の端っこで商品を把握。なんとかジュースを購入できました。糖分が入ったジュースを飲んで40分後ほどで落ち着いてきましたが、同じ場にいたお友達ファミリーからは「顔面蒼白でヤバそうだった」と教えてもらいました。

後期ダンピングから救ってくれたCCレモン

でも、これまでで最もひどい後期ダンピングは視界が暗くなったり、フラフラしたりだけではなかったんですね…

運転中、気絶しそうに…

ひとつ上の症状の続きです。
過去イチでひどい後期ダンピングの症状がラクになった頃、お子サマーの習い事のお迎え時間になりました。30分ほど車を運転する予定でした。運転手はいつものようにわたしのみです。

お子サマーを後部座席に乗せ、運転開始。そこから10分ほどで猛烈な眠気が襲ってきました。「後期ダンピングの眠気だ。運転中にこれはマズいぞ」と思ったものの、那覇市内と違ってコンビニやスーパーなどの駐車場まで距離があり、パッと停められません。

赤信号のたびに気絶といえるほどの勢いで瞼が閉店ガラガラし、その度にハッとします。目を閉じる時間は1秒、2秒ですが、赤信号中とはいえ本当に危険を感じました。そこで推しバンドの音量を上げ、ずっと歌い続けることに。それでも眠気が収まりきらず、事故を起こすのではと心配になりながら、なんとか無事に帰宅できました。事情を伝えたご主人サマーに子を託し、わたしはそのままベッドに直行。60分ほど眠りました。

目が覚めて頭がクリアになってから気付いたことがあります。それは眠気が酷すぎたが故の「判断力の低下」でした。コンビニで休憩するアイデアが浮かびながらも、コンビニを探しきれなかったり、コンビニを見つけてもあと「5分で家だ」と帰宅を優先してしまったのは、眠気により判断力が欠けていました。判断力さえ奪ってしまう後期ダンピングは本当に恐ろしいです。

もしこの記事を読んでいる方の中で、似た経験があったり、自分にも起こりうるかもと思う方がいらしたら、症状が起きたらすぐに休憩をとってください。この経験を通じ、わたしは「今後同じことが起こったら、即座に安全に車を停められる場所に移動し、休憩を取ろう」と反省しています。事故を起こさず帰宅できたことは幸運でした。ですが、次また同じことが起きた時の保証はありません。

これは糖分の摂り過ぎで血糖値が急上昇・急降下したが故の症状です。おそらくスタバのチャンククッキーがトリガーですから、今後の人生において封印しようと考えています。

やっぱ、なかなか理解してもらいにくい

…という経験談を伝えてみるものの、毎日このような状態になるわけではありません。日常的にはピンピンしていることの方が多いのです。なので周りからの理解や共感が少ないです。

現在のわたしに周りの方から「後期ダンピングってどんな感じなの?」と声かけがあった際は、以下のような説明を繰り返しています。

  • 後期ダンピングは直前の食事によって起きる
  • とはいえ、毎日必ず出るものではない
  • 体調不良や糖分取り過ぎなどの要因が重なると起こりやすくなる気がする
  • 決して怠慢ではなく、自分の意思とは違う力で強制的に気絶するようなもの
  • ハンドリングが難しいので、無闇に糖分を取ることを避けたい
  • 胃がないので、おそらく一生付き合っていくんじゃないかな

こちらはわたしの経験から得た情報で、すべての胃全摘患者・胃切除患者に当てはまるとは言えませんが、参考程度に記載しておきます。

人間、経験していないことは誰しも想像や理解ができないものですよね。それは仕方ないけれど「まだ症状があるの?」とも言われたりするので、認知度の低いマイナートラブル的なものにこれからも苦しみそうだなと思っています。逆にね、あんまり気に掛けられすぎて腫れ物に触るような対応も面倒ですから、まあどっちかっていうと「まだ不調なの?!」くらいがちょうどいい気もしますけれどね。笑

急に具合悪くなるのに社会復帰できるのか?

後期ダンピングを経験し、早期と比べて回復に時間がかかること、そして先読みできないことが不安材料です。というのも、社会復帰した後にこのような症状が立て続いてしまったら、共に仕事を回す職場の仲間や、その先にいるお取引先に迷惑をかける可能性があるんじゃないかと…

人事と面談する中で、そんな不安があると投げ込んだところ、「普通に体調が悪くなることだってある。それと同じように考えてはどうか?」といった言葉をもらい、ああそうかとハラオチしました。確かに、健康体の人であっても食あたりや風邪など体調不良は予期せぬタイミングでやってくるし、わたしの後期ダンピングだって予期せぬものだから一緒だよなぁ。

そう気付いてからは、なんだか心が軽くなりました。また周りに助けられて感謝。気張らずに、その時々でわたしができることをやっていこ。

木の上で眠るナマケモノみたいなモノ

気絶に近くって、怠けてるわけじゃないんですよ

わたしなりの対処法とか、その他いろいろ

プロの栄養士的知見 vs シロウトによる実地的知見

早期・後期のダンピングのような症状を経験し、インターネットで各病院が出している資料や専門領域の論文を眺めているうちに思ったことがあります。「血糖値が上がりやすい食べ物を制限してみよう」というわたしなりのアイデアです。これは勝手に取り組んでいることなので、他人にオススメできません。

どんなアイデアかというと、早期・後期のダンピングは血糖値の急上昇・急降下で起こる体調不良なので、ならば血糖値を安定化すれば症状が起きにくいのでは?とシロウトなりに考えたんですね。そこで血糖値に直接影響する食べ物を控えてみようと試したのです。具体的には炭水化物を控えてみたり、普通のお菓子・スイーツではなく低糖質スイーツに切り替えてみたり、低GI値の食材に切り替えてみたり…といった具合です。

具体的には…
たとえば普通の白い強力粉で作ったパンはお腹が下りやすいので、低GI食品とされる全粒粉強力粉でフォカッチャを自作し、食べてみました。これ、全然お腹が下らずに過ごせました。数日繰り返しても問題なしです。
また、普通の白米はお腹が下りやすいので、低GI食品とされるバスマティライスを食べてみました。お腹の調子が良かったり悪かったりではありますが、白米ほどOPP発生率は高くありませんでした。
さらに糖質控えめのチョコレートを試してみたところ、これは全然普通に食べられます。これはどえらい発見をしてしまったぞ、と思いながら低糖質チョコレートを口に放り込んでいます。なかなかウマい。

通院先の管理栄養士から栄養指導を受ける際に、低GI食品の話を伝えたところ、彼女は「うーん… 食べ控えるような食材を主に食べていますね。全粒粉とか」「白米でお腹がくだるという例はあまり聞かない」「そもそも、一度に食べる量が多すぎでは?」という反応でした。確かに…ごもっとも…

管理栄養士によると、わたしのやっていることは栄養指導とは真逆なことで、「低糖質など気にせず、分食して1日5回食にしてください」とのことでした。なので言われるようにやってみたのですが、昼ごはん半分では足らんのですよ… すぐにお腹減って冷蔵庫開けちゃう… こういうのって、どうすればいいのでしょうね。

プロの管理栄養士による栄養指導ですから、それが令和における食事療法の最適解というのは理解しています。ですが100人いれば100通りの食べ方もあるだろうし、シロウトのわたしが勝手に実地研究を進めて、自分の体に合う食べ方の知見を深める分には良いとも思うんですよね。現に、低糖質商品や低GI食品でトイレに駆け込まずに済んでいるのですから。

他の人にオススメはしませんが、科学的根拠に基づく栄養指導内容と個人が勝手に試している実体験をマージさせながら、うまく食べて行くのがわたし個人の答えだろうなぁと思っています。いまのところ。

介護食は嫌だ

管理栄養士との栄養指導の中で、ごはんが詰まった経験からカレーを食べている話をしたところ、「カレーは刺激物」「他のとろみをつけて食べてみる」といった話が出ました。わかります、それ離乳食か介護食みたいなヤツをイメージしていますよね…?すかさず「介護食みたいなとろみは嫌だ」と切り返してしまいました。

わかってるんです、カレーの香辛料は刺激物です。お腹の不調を招く食べ物だって、頭では理解しているんです。だけど、おいしくない食べものは食べたくないんです。食感のない介護食、あれは嫌です…。管理栄養士さんのいうことは間違いないでしょうけれど、嫌なものは嫌です…。

こんなこという患者はきっと少ないですよね…。困らせてしまってたら、すみません…でも頑なに嫌です…。

個別の朝ごはんを作り始める

そんな流れがあり、お腹の調子を保ってくれそうな朝ごはんを作るようになりました。朝ごはん後にOPPすると1日のテンションが下がっちゃうし、ベッドに横になってダラダラする率も高まりますからねー。

どんな朝ごはんかというと、こんな感じ。いろいろ試している様子は、ついったらんどことXのツリーでご確認いただけます。

これまで最もおいしかったのは、バナナ+卵+ココアパウダーのレンチンバナナチョコケーキもどき。バナナの甘さだけで十分おいしかったです。バナナ+卵+抹茶粉もイケます。ココアパウダーや抹茶の分量を増やすとスポンジ感が出るし、ベーキングパウダーを入れて膨らませるのもアリ。分量テキトーな上に、オーブンではなくレンチンなので、5分もあれば作れます。前夜に作って、冷蔵庫で冷やして翌朝食べるようにしております。

高たんぱくヨーグルトを食べる

で、高たんぱくヨーグルトもよく食べるようにしています。こんなやつ。ついったらんどことXとインスタのフォロワーさんたちに、オイコス売ってる場所を教えてもらいました。その節は皆さんありがとうございました。

高タンパクなヨーグルトや、低糖質・低GI値な食品を買ってきた

甘いものを制限しないとお腹下るけど、高たんぱくなヨーグルトのフレーバー付きは糖質控えめなのかお腹が緩まないので助かってます。基本は甘さなしのプレーンが好きですが、食べ飽きちゃうので時々フレーバー付きにしてみたり、ココアパウダーを混ぜてチョコレート風味にしてみたり、アレンジしながら食べてます。

胃全摘後は意識的にたんぱく質をとるよう言われました。とはいえ肉・魚を食べるにも限界があるし、食道詰まりもするので、高たんぱくヨーグルトで補助してる感じ。冷蔵庫で場所をとるし、ゴミもかさばるけれど、致し方なし。水切りヨーグルトも作ってます。そのうち自家製ヨーグルトに手を出すかも。笑

炭水化物と縁を切れない沖縄

これは沖縄に関わらず、地方都市でありがちな課題かもしれません。わたしの地元もそんな感じなんですよねぇ。何の話かというと外食です。特にランチタイム。沖縄でランチといえば、

  • 沖縄そばなどの麺類
  • タコライス
  • ごはんもおかずも大盛りな食堂の定食
  • ごはんなど食べ放題のステーキ屋
  • ホテルのブッフェ
  • 路上販売の茶色い弁当

といったものがど定番で、とにかく炭水化物祭りなわけです。わたしの地元も海鮮丼・ラーメン・寿司が有名で、炭水化物ドーンな感じ。なもんで、炭水化物ドーンなランチは地方都市あるあるなのかも?と思っていたりします。

東京に住んでいた頃は食べ物の選択肢が多く、また新しい物を取り入れる傾向が強いため、サラダランチとか糖質制限ランチみたいなお店も探せました。が、沖縄ではそれがなかなか難しいんですよね。あっても家や職場からしょっちゅう通える距離ではなくって…

となると社会復帰後は外食よりも、コンビニのサラダチキンを買って、一般的なパンより高たんぱくで糖質控えめなBASE FOOD的パンをかじってる方が、ダンピング症状的なものが出ずに安心かも…と思ったりして。ですが、時々ならよいけれど、毎日のランチがそれってのは飽きるしなぁ…と悩みどころ。

なお、自作のお弁当の選択肢はナシです。たんぱく質取れるおかずいっぱい、ごはん少々みたいなお弁当になるわけですから、何品おかず作ればいいんか!?って感じです。そんな時間もレシピも持ち合わせてません。。

ヴィーガンにもベジタリアンにもなれない

胃全摘しているので、ヴィーガンやベジタリアンに100%切り替えるのも難しいんですよね。胃の消化機能を失ったため、繊維質の多い食事を摂りすぎると腸閉塞を引き起こす可能性があります。

そのためゴボウ・レンコン・サツマイモ・海藻などは食べすぎず、残すように心がけています。沖縄のもずく、麺つゆで食べるとおいしいんだけどねぇ… 同じ理由でラーメンのメンマも残しますし、トマトの皮も剥けって管理栄養士に言われてるんだなぁ…

胃のある健康な人にとっては、野菜は体に良いものかもしれません。でも胃無しになったわたし的には、繊維質の多い野菜を食べすぎるとよくないみたいです。なので肉・魚・豆腐などのタンパク質を中心にして、野菜控えめ・炭水化物控えめの食生活をしなければなりません。

あー!もしかして、毎日ブエノチキン食べればいいんじゃないの?コレだ!(違)

栄養士のひよこのイラスト

理想と現実、みたいなもん?

わがままボデーに参りつつも、なんとか傾向を掴みたい

今回も長くなったので、そろそろまとめるのですけれども。

現状の気持ち的には、この章の見出しの通り「自分の体のことでありつつも、わがままボデーに参ってる」です。ハンドリングできないと社会復帰も難しいってーのに、なんね!この体は!!

早期ダンピングっぽい症状が起こる時は、なんとなく予兆を感じます。朝に炭水化物多い食事をしたらお腹下しがちになります。時々お腹下すだけでなく、眠気を誘うような症状も起きたりします。自分の意思で起きてることもできず、わたしの気持ちとは正反対に何かの力で眠らせられるのです。この時、運転とか怖くてできないわ。

後期ダンピングは全く読めずで、早期ダンピングよりも困っています。冷や汗・ふわふわ感・手の震えに加えて、即気絶レベルの眠気に襲われるのですから…。時々、運転手が急に意識を失って大事故というニュースを見かけますけれど、あれは他人事ではありません。万一、運転中に同じことが起きたらと思うと、糖質や炭水化物から離れて生きる選択をしたくなる…

わりと傾向が掴めがちな早期ダンピングに対し、後期ダンピングは予測がしにくいです。それでもどうにか傾向を捉えたいなと思って、症状が起きた際はスプレッドシートに「日付・抗がん剤服用の有無・直前の食事・症状」などをデータ化しています。まだこれといった傾向を掴み切れていませんけれども、もう少し情報が集まったら見えてくるかもしれません。

そこまでやるの!?と思う人がいるかもしれません。でも、自分の体のことなのに、ここまでマメにやらないと何にも掴めないですよ。だから日記とかブログとかって、意外と履歴を追えて使えるなーなんて思ってます。胃全摘で生活レベルが下がってツラい、というか、面倒なことが多いです。
終わり。

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ユッキー

北海道出身の沖縄移住ブロガー。食べ飲み歩きブログ「毎日ビール.jp」や、雑記ブログ「毎日ノンアル.net」を運営中。1匹&1児のカーチャン。2023年からスキルス胃がんサバイバーとして「5年生存率を上げるブログ」を開始。

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