出産入院

新田クリニック入院記:産後0日目②(分娩〜出産後の処置)

投稿日:2017年2月1日 更新日:

子宮口が9cmになって分娩室へ。

破水の後、どのくらいの時間をかけて分娩室へ移動したのか覚えてません。子宮口の開きが8cmだった後、9cmになって分娩室へ移動したと思うんだけど、かなり記憶が曖昧です。看護師さんに「子宮が柔らかくなってるから、もうすぐ9cmになるよ」と言われた記憶はあるけれど、いつの間にか分娩室へ移動することになっていました。

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この頃、新田先生が院外から戻って来ました。陣痛室に立ち寄ってくれて「いま戻って来たから」と声をかけてくれつつ、軽く膝にタッチしてくれました。いつもの先生だと、やっぱ安心するなぁ。先生もてんやわんやで大変だなぁと思いつつ、どんどんやってくる陣痛の波に痛い痛いと連呼していたような、そんな記憶です。

分娩室へ移動する前に、トイレに立ち寄る。

分娩室へ向かう直前、看護師さんにトイレに立ち寄ったほうがいいか確認。それならば立ち寄ろうということで、トイレへ向かうんですが... これがなかなか難しい。なんせ痛くてシャキッとまっすぐ立てないんです。看護師さんとご主人サマーに両脇を抱えられトイレに入るも、今度はT字帯の外し方で手間取ります。T字帯とお子さんの心拍数を図る分娩監視装置が一緒に外れるし、便器の中に落とさないよう気を使うし、便座に腰を下ろすのも大変で、用を足した後も真っ赤に染まったお産パッドとT字帯を戻さなきゃいけない。お腹から外れてしまったトランスジューサを片手によろよろとトイレから戻りました。着衣は完全に乱れていたと思うけれど、なんでもいいから分娩台へ上がらせろください。

トイレから分娩室までのハードルがやけに高い。

トイレから分娩室までの距離はたかだか数m。しかし、この道のりがかなりきっつー。何故ならば、移動の間も容赦なく陣痛がやってくるし、骨盤も開いてグラグラだからなのか、まっすぐ立つことも歩くことも困難でした。陣痛の最中に立ちっぱ&腰をさすってもらうこともなく、陣痛を耐えるのはかなり辛かったなぁ。ただでさえいつも通りに歩けないのに、分娩台に上がるには2〜3段の段差を自分で登らねばならないという。更なる無理ゲー...

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しかし、登らねば最後のお仕事に取りかかれません。陣痛の合間に支えてもらいつつ登りました。途中で転落してお腹を打ったらお子さん共々ゲームセットだわーと思いつつ、なんとか着座。分娩台では両足を開く必要がありますが、脚台に足を乗せるのがこれまた大変。でも看護師さんが脚台の長さを調節しながら「あら、脚長いわねぇ」と言ってくれたことに対し、「マジっすか!嬉しいなぁ」と答えてたので、まだ余力が残っていたような。

8時台かな?、分娩台に上がり、ご主人サマーとお別れ。

分娩台に上がったら、半日近く続くお産も終盤。サポートに徹してくれたご主人サマーが分娩室から去ります。我々は分娩室内での立ち合い出産は希望していませんでした。あたしの希望は、病院内に待機してもらい、もしもの時に備えて欲しいと思っていたので、ここで一旦お別れです。

この頃にはもう陣痛の谷間なんてほぼなく、喉が乾いてもさんぴん茶が飲み込めないような、そんなヘロヘロの状態。もちろん朝ごはんなんて食べられません。夜中に食べたホットケーキですら吐きそうだったのに、いま朝ごはん食べたら吐くわ。でも、朝食の用意はされているらしい。看護師さんに「ごはん、どうする?」と確認されました。「部屋の旦那さんに食べるか聞いてみてください」と回答。

一方その頃、分娩室から退出したご主人サマーは、私の個室で一眠りしようとしていたそうな。すると「朝ごはん食べる?」と聞かれたそうな。結局、看護師さんの勢いに負けて食べたらしい。

 

奥サマーの代わりに朝ごはんをいただきます!

Show Takabashiさん(@takabashi)が投稿した写真 -

分娩台での排泄。

分娩台に上がれば、すぐに生まれるってわけじゃーありません。いろんな準備が必要だし、あたしの体もお腹のお子さんも準備が整うまで待たねばなりません。分娩台の上でフーフー腹圧をかけつつ、看護師さんがお産の準備でテキパキ動く姿をぼーっと眺めていました。

そしてどこかのタイミングで、看護師さんが内診しながら「便が出たよ」と。陣痛室に来る前に、部屋で用を足したけれど、それでもまだ腸内に残っていたようです。「便が邪魔して赤ちゃんが出てこないこともあるから、出しちゃおうね」といきみのタイミングに合わせてコロコロと便をかき出されました。この時、恥ずかしさは全くなく、それ以上に痛みで意識が朦朧としているので「好きにして」状態でした。

ただ便をどうするのか気になっていたら、数秒後にトイレの流す音が聞こえました。「もし廊下にご主人サマーがいて、この状況を知られたら、ちょいと嫌だなぁ」と僅かに残された乙女心。この頃にはご主人サマーも部屋で寝ていたと思いたい。

その後、看護師さんに「おしっこも出しちゃおうねー」と尿道に管を突っ込まれ、自動的に排泄させられましたが、管を入れる痛みなんてさほど強くなく、陣痛の方がよっぽどきっつーだということがわかりました。出産を控えた世の妊婦さんたちよ、排泄は出産のプロである看護師さんに任せてしまおう。スキーリします。

9時前?、看護師さんの指示でご主人サマー再登場。

夜中からこの時間まで、何人もの看護師さんたちが入れ替わり立ち替わりであたしの面倒を見てくれました。この病院には一体何人の看護師さんがいるのだろう... 夜勤の方が退勤時間を過ぎても腰をさすり続けてくれたり、多くの看護師さんに本当に助けられました。

分娩台に上がってから腰のマッサージをしてくれたベテラン看護師さんは、二度ほど「ご主人は?部屋にいるの?呼びましょ。お産は女性の仕事だけど、ご主人にもとっても大変なことってわかってもらわなきゃ」と言ってくださり、立ち会い出産は望んでいないことを伝えたものの、「じゃあ、マッサージだけでもしてもらわないと」「これも旦那さんの勤めよ」と館内放送でご主人サマーを呼び出してくれました。分娩台と体の隙間に手を入れて、腰を刺激するマッサージです。ご主人サマーより看護師さんのほうがコツをわかってると思うんだけど、女性と男性では手の大きさが違うので圧のかけやすさはご主人サマーの方が良かったような、そんな記憶です。

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しかし... マフラータオルを頭から被ってる写真しかないだなんて... もうちょっとどーにかならんかったのかな。

9時半前?、ご主人サマー再退出。

そろそろ本格的にお産の時間がきたようです。ご主人サマー二度目の退出。というか、いついなくなったかほぼ記憶になし。

この時、分娩監視装置の陣痛の波が15以上になったら子宮収縮が起きていたので、モニターの数値を見て「来る、来る」と「フーフー」と「痛い」しか言ってなかったと思います。言葉に出すとベテラン看護師さんたちが「声は出さない!」「声にすると力が分散するよ」と指示を出してくれるので、最後の方は「フーフーぅぅぅぅぅぅ!!!!!」という勢いで力んでました。結局声が出てるっていう、ね。

看護師さんたちにずーっと言われ続けたのは「いきみを声に出さない」「ウンチするようにお腹に力を入れて」の2つ。途中、言われる言葉が変わっていきました。「髪の毛が見えてるよ」「頭がこのくらい出て来たよ」「もっといきんでいいよ」「先生が外来診察で内診に入ってしまったから、もう少し待ってね」など。外来が始まってるということは、9時半を回っているなぁと考えました。

看護師さんに言われてキョドッたこと。

そして産む前に言われて衝撃的だったのが「中にちょっと出っ張ってる部分があって、そこにひっかかって赤ちゃんの頭が出てこない」ということ。そんなん急に言われたらビビっちゃうよね。なにそれ、どういうこと?ここまできて帝王切開?もっとお産に時間がかかるの?体力の限界だよーもうヤダよーむりむりー。長いこと続いたらお子さんの心拍も下がっちゃうよー死にたくないよー。数秒の間に頭にいろんなことが浮かびました。

が、どうやらお子さんの頭側が出やすい形に変わってくれるそうで、このままお産は続行するとのこと。「ベビちゃんの頭が出て来やすいようにとんがるから、それまでもう少し頑張ろう」と看護師さん。ホッとしたものの、もう少しってあとどのくらい?と聞いた覚えがあります。

その後何度も陣痛が来て、その度にフーフーいきんで、腹圧をかけて、ウンチするように力んでも出て来ません。頭が出て来てるっぽいけど、最後の堤防を越えてくれない臨界状態が続きます。

9時50分頃?、先生登場。すぐさま会陰切開。

外来診察を一時中断した先生が分娩室へやってきました。直感的に「先生が来たら、あとは産むだけだ」と察しつつ、看護師さんたちが先生に「たぶん切ったらすぐ出て来る」と言ってるのも耳に入りました。おおお、何でもいいから切っておくれ。

分娩台の先に立った先生が、裁ちバサミのような刃物を手にしていました。どのタイミングで切るのか聞いたところ「次の陣痛のタイミング」とのこと。もうひとつ「じゃあ陣痛が来たら、いきまない方がいいです?」と質問しました。先生も看護師さんも「いきんで!」と。

会陰に麻酔が打たれてすぐ、陣痛の波がやってきたので「来ました、フーフー!」としたあたりで、ジョキン!と思いっきりカット。どんだけカットされたのか見えてないしけど、これが不思議と全く痛くなかったです。それよりも会陰切開前の麻酔の方がチクチクと痛かったし、これまで痛くなかった恥骨の裂けるような痛みの方が気になりました。

9時58分、(仮)ピコ太郎、ぬるりと誕生。

会陰切開の後も波がやってくるので、その度に何度もいきみます。1度の陣痛で息が続かず2回しかいきめてなかったのですが、ここから先はもう頑張って3回以上いきんで出すしかない。

深い呼吸ができず、浅く息を吸い込み3回4回といきむうちに、気になることが。いきむ時は上半身に力を入れがち。特に手はグリップ部分を強く握っています。あまり力を入れると、せっかくもらった結婚指輪が歪んでしまう。だから、途中で左手の薬指と小指は力を入れないように掴んで力んでいました。いま振り返ると、割とどうでもいいことだけど... 思考回路がショートしていたんだなぁ。

それからいきむこと数回。私の周りを5人くらいの看護師さんが取り囲む中、ぬるりとお子さんが出て来ました。世に出た後もフーフーやっていたあたしに、看護婦さんが「もういきまなくていいよー」と声をかけてくれました。

ぬるりと出て数秒後、まず最初に背中と後頭部が目に入りました。それからフンギャーと産声をあげたお子さん。泣き声を聞いて、あたしの大仕事が終わったことをやっと理解しました。体を拭かれながら羊水をゲプーと出したり、フンギャーフンギャー言ってるお子さんは赤黒いというか青黒いというか、そんな色でした。あたしの左にいた看護師さんが産声を録音しながら「9時58分です」と言ったのを覚えています。

想定外の男児誕生。

取り上げた看護師さん横の方が「元気な男の子ですよー」と教えてくれました。検診の時もずっと女だろうと言われていたので、驚きのあまり「えっ、男?!先生、ずっと女だって言ってたのにー」と思わず。看護師さんたちも「女の子って言われてたから、女の子用の名札用意してたのにー」と笑い合いました。無事に生まれてくるなら性別などかまわないと思っていたけれど、ご主人サマーにとってはサプライズな男児誕生となりました。「旦那さんが喜ぶなぁ」と話しながら産後の処置を受けていたのですが、この間先生は無言で会陰縫合の準備。1/200のクジをひいてしまった!

感動の対面でも、涙の対面でもなく。

お腹の上に一時的に乗せてもらい、感動のご対面... ではなく、パパッと体を確認しました。頭もあるし、手も足もある。シロウト目で見た感じ、初見としては何も問題がなさそう。まずはよかった。

あたしは今年で37になる高齢出産です。この年齢でやっと迎えた妊娠・出産のチャンスですが、高齢出産には必ずリスクが付きまといます。生まれて来るお子さんに、先天的な病気や障害の可能性があるかもしれない。でも定期検診の時には、先生から一度も心配されたことがない。シロウトが無駄に心配するのではなく、ベテラン先生を信用しよう。ずっとそう考えて来たけれど、やっぱり実物を目にするまではどこか心配で。指の本数、腕や足の数、口蓋裂、ダウン症... 先天的な課題を抱えて生まれてもしっかり育てようと思っていたけれど、産んだ瞬間の見た目的に抱える問題がなさそうだなとわかってホッとしました。

あとは、ずっと痛かった右側の肋骨の痛みがなくなった喜び!お腹が急に凹んだことで、圧迫痛からも解放されました。出産を終えたあたしの感想は「感動/涙のご対面」でも「奇跡の誕生」でもなくって、ただただ「開放感」しかなかったです。お子さんよ、こんな人間でごめん。母性はきっとこれから芽生えてくる、ハズ。

産後の処置と、分娩台の上で2時間ほどの経過観察。

産後はお子さんとあたしの処置、それぞれ別に行われます。あっという間にへその緒が切られ、お子さんは部屋の端っこにある台の上に乗せられています。鼻や口に残った羊水をカテーテルで吸ったり、全身を拭いてもらったり。その後、体のサイズを測ったお子さんは驚きの3660gでした。今時にしては相当でっかいわ!

あたしは分娩台の上に乗ったまま。10時近くに出産してそこから2時間ほど、12時までは分娩台で後処理と経過観察です。開脚した足の先で、看護師さんが処置する何かが見えました。へその緒だ。ということは胎盤もあるはず。「胎盤見てみたいです」と告げると、看護師さんが「ほら、こんな感じ。レバーみたいよ」と見せてくれました。片面はツルッとしているけど、反対側はザラッとしている、そんな赤黒いものでした。40週、お疲れさんでした。

その後、スパッと切られた会陰にもう一度麻酔を打ち、20針くらい塗う作業。この麻酔と縫合もチクチク痛かったです。先生曰く「切ったとわからないくらい綺麗に縫うからね」とのこと。どうやら縫うのがお得意なのでしょう。お任せします!

その後、子宮の位置を戻す処置を受けたり、止血のガーゼを中に入れられたり、大きなオムツをあてがわれたり、簡易的な紐で骨盤を締められて諸々終了です。ずっと力を入れていたからでしょうか、膝がブルブル震えていました。

ご主人サマー、再々登場。

出産を知らせる館内放送で呼び出され、ご主人サマーが分娩室へ。この時、まだ性別を知らない彼は「女の子か〜、いろいろと金がかかるな〜」と足取りが重たかったそうです。こちとら必死に出産したのに、なかなか酷いじゃないか。

分娩室に入ってすぐに性別を聞いたか確認したところ、「まだ」とのこと。そこで男児と伝えると「マジで!」と目の色が変わり、本当に嬉しそうな表情に。表情が暗いのは眠いんだろうなと思ったけど、ここまでパァァァ!と明るくなったご主人サマーの表情を見て、男児で良かったなぁと心底思いました。最初の家族写真を撮ってもらいました。f:id:okawarichang:20170113102333j:plain

産道を通る時に頭が変形したピコ太郎。エイリアンとかピッコロさんのように、頭が後ろに長いです。人体の不思議!

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その後、お子さんはまた引き取られて新生児室へ。分娩室に残されたご主人サマーとあれこれしきりに話し合ったのですが... 出産直後の興奮が徐々に薄れていき、11時を過ぎには疲労感が上回ってどっと眠気が。

そうそう、分娩台の上でiPhoneもいじってました。会社の上司や何人か友人、実家の両親に出産報告です。あとはご主人サマーがさっさと投稿していたFacebookの反応を見たのと、それと、なんだっけ。やっぱり記憶が薄いなぁ。

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全然話変わるけど、どの写真を見ても眉毛が残っていてよかった。13時間以上のお産に耐えた眉毛。やっぱりカバーマーク様様です。

カバーマーク ラスティングアイブロウ

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体の外に出てった物と、その重さ。

胎盤は600gあったようです。お産全体を通しての出血は328cc。看護師さんによると、羊水の量は一般的に500〜800ccなんだそうです。つまり、お子さん+胎盤+出血+羊水=5000〜5300gくらいが一瞬で出ていきました。

それにしても出血量がたった328ccだったとは、非常に安産だっと思います。ネガティブ思考なので予期せぬ出血多量で死んでしまうことも考えていたけれど、まさに案ずるより産むが易しという感じでした。生きて帰れてほんとに良かった。

12時、分娩室から退出し、部屋へ戻る。

12時に分娩台から降りて、部屋に戻ります。戻る途中、看護師さんのすすめでトイレに立ち寄ったような。そこで大きなオムツから産後のデカパンツに履き替えたような。トイレから出た時に、看護師さんが「お子さんを抱いてみようか?」「おっぱいあげてみる?」とすすめられたのでやってみたような。部屋に戻ったらご主人サマーがいて、お昼ごはんもあって、「エビフライだやったー!」と言ったような。

ともかく疲労感と開放感と空腹、そしてどんどん陣痛の痛くて苦しかった記憶が薄らいでおります。人間ってすごいなぁ。

続く。

 

  • この記事を書いた人

ユッキー

生まれ育った北海道から、どんどん南下している沖縄移住ブロガー。2009年にクラフトビール沼にハマり、2013年に「毎日ビール.jp」を開始。妊娠を機に「毎日ノンアル.net」を書き始める。2017年出産。現在は1匹&1児のカーチャン。

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