こんにちは、スキルス胃がんで胃全摘したユッキーです。
家族や友人、職場、一部の飲食店の方には頭出ししていたのですが、この3月に病が発覚し、4月に胃の全摘手術を受けました。わたしは負けず嫌いのフシがあるため、転んで起きあがるだけでは病にしてやられてばかりで悔しい気持ちになります。そこで何かできないものかと思い、このたび、わたしのスキルス胃がん経験をまとめる「5年生存率を上げるブログ」をはじめてみることにしました。
「5年生存率を上げるブログ」とは?
「5年生存率」というものを知っていますか?
これは、病気と診断された患者が5年後に生きている割合のことで、医療、とりわけがんの世界でよく使われる指標だそうです。がんになってしまった臓器の場所や進行具合によって、5年生存率はさまざま変化します。(ちなみに、日本全国すべてのがん患者の情報を集めたビッグデータはなさそうです。これ、どなたか頭の良い方やってみませんか。日本の統計学が捗ってよさそうなのになぁ。)
わたしが罹ったスキルス胃がんの場合、この5年生存率は低いとされています(具体のエビデンスを探しきれませんでした。どなたかリンクを教えてください)。
胃がんの中でもスキルス胃がんは厄介です。患者自身が症状に気付きにくく、生検でも結果が出ない場合があり、それでいて進行スピードが速く、また、がん検診が始まる前の若年層患者の割合も多いらしいのです。見つかった時には手遅れになっていることが多く、あっという間に亡くなってしまう…。ほんと、非常に怖い病気です。
そんなヤッケーなスキルス胃がんに、わたしはロックオンされてしまいました。
病とわかってから、少し考えて、今回もやっぱりブログを書くことにしました。でも、ただの闘病記ではおもしろくありません。そうして「何か目的を掲げては?」とご主人サマーから提案されたのが「5年生存率を上げるブログ」でした。
何をして自分の5年生存率を上げるのか。わたしがどう長生きして、治療先の病院の5年生存率を上げるのか。もし誰かがこのブログを読んで病院に駆け込んでくれたら、早期発見に繋がってスキルス胃がん全体の生存率が上がるかもしれません。万が一そんなことがあったなら、ブロガー冥利に尽きますね。
しばらくは入院・手術に関する記事を上げていくと思いますが、中長期的に5年生存率を上げる観点でいろいろ書いていこうと思います。どうぞよろしくお願いします。
わたしのスキルス胃がんQ&A
がんのステージは?
入院するにあたり、いろいろな方に挨拶しに行くと何度か「ステージは?」と確認されることがありました。ね、気になりますよねー。でも、まだわたしも聞けていないんです。
がんといえば、ステージがつきもの。でも、ステージってもんはどうも簡単には出ないっぽいのです。もちろん「複数の検査結果をみた感じ、おそらくこのくらいかな」というお医者さんの経験と勘からくる見立てはあると思うんです。でも、それはあくまで仮の数字なので、正確にはまだ聞けていません。これが現状です。
ステージを決める際、3つの指標をもとに判定するそうです。手術前の事前検査で把握した情報のみで決めるものではなく、実際にお腹の中を観察し、検査した上で決めるだろうことは、今回自分が経験して初めてわかりました。
余談になりますが…
ステージが進行すればするほど生存率が低下します。がんのできた場所によっては、ステージ1でも余命が短い場合があります。つまり、わりとセンシティブな情報でもあるってことです。気軽に「えっ、がんなの?ステージは?」と聞くのは、人によってはショックかもしれないので、配慮が必要そうですよ。
早期がん?進行がん?
「ステージは?」の次に聞かれたのが、「早期?末期?」でした。二者択一、生きるか死ぬかのまさにデスゲームwww
今回自分がスキルス胃がんとなり、一般人のいう「早期がん」あるいは「進行がん」は、医療従事者の方から説明される話と乖離しているな、と思いました。
確かにがんに対する知識がペラッペラなわたしも
・早期がん:早く見つけられたので治る
・進行がん:ひどく進んでしまい末期手前
・末期がん:治療の方法がなく治る見込みもないので死ぬ寸前
だと思っていたのですが、どうも医療の世界では
・早期がん:粘膜下層までのがん(自覚症状が出にくい)
・進行がん:筋層まで到達しているがん(何かしらの自覚症状がある)
・末期がん:余命に関わらず、がんの進行状態を指す言葉
ということのようでした。治るとか治らないでもないし、いますぐ死ぬとか死なないとかでもないようです。ということで、医療の世界でいうところの表現ですと、わたしは「進行がん」となります。
どんな手術したの?
今回、開腹手術で胃全摘しました。4人の医師とお話をさせていただき、それぞれの立場から、
- 近所のクリニック先生「スキルス胃がんは胃全摘」
- 最初の総合病院外科医「スキルス胃がんは胃全摘」
- つぎの総合病院外科医「スキルス胃がんは胃全摘」
- お友達(先生)「スキルス胃がんは胃全摘」
と満場一致だったので、最初から一瞬の迷いも悔いもなく胃全摘の運命を受け入れました。
余命は?
最初に訪れた総合病院の先生に「余命は出るものですか?」と伺ってみました。すると「余命は、再発した際にお伝えするものです」というようなご回答。えっ、そういうものなのですか?ドラマの演出だとその場で「余命3ヶ月です」とかって簡単にいうからさぁ。
その後、インターネットでいろいろ調べてみているのですが、余命については未だよく理解できず… 上記のステージのように、慎重に判定するものなのかもしれませんし、そうでもないのかもしれません。一番の謎。
毎日ビールはどうするの?
ほんとだよね〜!よりによって胃全摘だしさ〜!
しばらくは手元に残ってるネタの更新をしていきます。記事ネタがなくなったら、サイトのテコ入れしたいところや暫く放置していたメンテナンス対応をしていきます。
胃がなくてもごはんは食べられるし、お酒だって飲めるっぽいので、ブログの閉鎖予定はありません。そのうちフツーに外食できるようになるかもしれないけれど、それでもやっぱり更新ペースはガクッと落ちると思います。今後については状況を確認しながら、走りつつよりよい形を模索しようと思います。
いま、どんな気持ち?
いまは不安やネガティブな気持ちはありません。別になりたくてなったわけでもないし、かと言って、なってしまったものは仕方がない。これ、病気を受け入れ、向き合えているってことになりますかね?
いざ自分の身に降りかかってみると、急に「残りの時間」を意識するようになりました。その瞬間から「やるべきこと」「自分がやりたいこと」だけに集中したいしそうしようと決めたのです。だからこれからはより一層、楽しいこと・興味のあることだけやっていきたいですね。
この記事を公開したタイミングでは、ひとまず、そういう気持ちです。だけど、この先、きっといろいろと心情が変化するはずだろうと考えています。