先日、スキルス胃がんで胃全摘したユッキーです。
スキルス胃がん闘病記内の「転院と入院準備」では、スキルス胃がんと診断されてから入院準備までの様子をご紹介します。今回は、紹介状をもらい転院した友愛医療センターでの初診時、提示された手術日程を聞いてからの慌ただしい調整のお話です。
友愛医療センターでの初診に向かう
那覇市立病院に転院を伝えた6日後、わたしは豊見城にある友愛医療センターに向かいました。こちらは2020年に移転・新規開院したばかりの新しい総合病院(急性期病院)です。瀬長島のすぐ近くにこんな大きな病院があったなんて、全然知りませんでした。
わたしの場合、スキルス胃がんであることは確定しており、こちらの病院には手術前提での転院となります。なので、受付を済ませたあとは入院・手術に向けた各種検査も並行して進めているような、そんな印象を持ちました。
この日は採血→検尿→問診→診療→CT検査という流れでした。問診の先生や看護師のコミュニケーション能力が高く、優しい職員が多いなぁと思いながら検査を進めました。
診療の順番が回ってきて、胃がんの名医・二宮基樹先生とのご対面です。診察室に入り挨拶などを済ませて、さっそく本題へ。
手術日の提示… 思ったより早くて慌てる
「どうにか調整して、4月20日に手術室を空けました」という二宮先生の言葉に、わたしはシビれました。なんと先回りして色々と動いてくださっていたようなのです。悪いものを抱えている患者を前にした行動力がすんごい。手術はてっきりGW明けとか5月に入ってからじゃないかと思っていたので、あまりの早さに驚きました。
通常、二宮先生の手術日は金曜と決まっているそうです。でも4月20日なら手術室を空けられるし、木曜だけど差し込みで手術できると言ってくださっています。温厚そうな先生の心遣いや配慮を感じる言葉を耳にしながら、「それくらい緊迫した状況なのか、わたしのスキルス胃がんは…」と思ったりもしました。
ただ、このパッション溢れる二宮先生の手術日提案に、わたしには即答しかねる事情がありました。4月はご主人サマーの出張が多く、中でも「この日は外せない」と言っていた日程ともろ被りだったのです。わたしは病院、ご主人サマーは県外。お子サマーのことは誰がみるのでしょう?
二宮先生は「あなたはまだ若く、スキルス胃がんの細胞も活発でしょう。最初に内視鏡をした日から1ヶ月近く経過しています。なるべく早く取り除くことが望ましい」と続けます。そこで、わたしには幼い子どもがいること、県外からの移住組であり他に頼るところがないこと、そして夫の出張が重なって今すぐの回答が難しいと率直にお伝えしました。調整してみるのでお時間ください、と。
手術日についての話は一旦ステイとなり、次にAクリニックで撮影した胃カメラの写真を確認いただきました。「内視鏡がよく撮れている。腕のいい先生ですね」と二宮先生。胃だけでなく十二指腸の先、小腸のあたりまで念入りに撮影していると教えてもらいました。ああ、AクリニックのT先生は初見で「これはヤバい」と思ったんだろうなぁ。それでそんな奥まで確認してくれたんだろうなぁ。
二宮先生とのお話を終え、手術日の調整をすると約束した上で、診察室を後にしました。この時、わたし的には4月20日に手術すると決めていたので、「さて、どこから攻め落とそうか」と考えていました。
ご主人サマーと交渉
ご主人サマーに手術日が決まった旨をLINEすると、「え」と1文字。これは「え。出張とかぶってるじゃん。なんで?」的な「え」だと思いました。
40分後、「お子サマーの飛行機を予約した」という奇想天外なLINEが飛んできました。はい??なんで飛行機を押さえるのか全く理解できんぞ??頼むから、小学校生活スタートしたばかりのお子サマーの生活リズムを崩さんといてくれ。
後から話を聞いたところ、「出張先に連れて行くしかない。連れて行けばいろんな乗り物にも乗れるし、他にも楽しい経験ができて、それはそれで学びになって良い」という背景から、飛行機を押さえようとしたんだとか。これ、中間の説明があるのとないのとでは全く印象が変わる話ですよね。手抜きせず、LINEに長文送ってほしい。おれ、魔法使いじゃないし透視能力もないからさ、頼むわ。
…ということで、まったく話が噛み合わずに終わり、交渉決裂。
おかんと交渉
続いて、頼みの綱のおかんに電話。手術日程のあたりは、お友達と旅行すると聞いていました。なので手術日を提示されたことを告げると、「旅行とかぶってる」「もうお金振り込んじゃって、キャンセル料取られちゃう」という言葉が返ってきました。長い子育てを終え、友達との楽しい時間を過ごしたい気持ちも十分にわかるので、本当に申し訳ない。だから電話したくなかったんだよなぁ…
一度電話を切ったあと、暫くするとおかんからLINE。「旅行キャンセルするよ」とのこと。大変申し訳ない、けれども、それが今回の落とし所だとも思います。本当にすまん… 42にもなって、迷惑かけてごめん…
この日は外科の看護師さんに「手術は4月20日で大丈夫です」とお伝えし、病院は終了。
両親の片道航空券を手配
帰宅後、夜遅くにやっと時間ができたので、ネットでいろいろ調べます。
おとんとおかんの二人とも来るというので、航空券を手配。GW前とはいえ、北海道からだとやっぱり金額が高いわけで。マイルが貯まっていたので、それを使って片道だけのフライト予約をしました。宿泊先も予約せねばなりません。我が家の近所は完全に住宅街で、おかんのいう「ゲストハウスとかでもいいのよ〜」なんてものはないんですよね。そこで我が家から歩いで20分圏内の宿を押さえ、この日は終了。とっくに日付変更線は越えてしまって、結構疲れてすぐに入眠できました。