先日、スキルス胃がんで胃全摘したユッキーです。
胃無しめし内の「胃全摘術後の入院食」では、胃を全て取ってしまう胃全摘術後の入院食を振り返ります。今回は術後6日目から始まった、友愛医療センターでの三分粥についてまとめてみました。固形物っぽいものがでてきましたが、味は果たして…?
胃全摘後に食べた三分粥
術後6日目から三分粥に食上げとなりました。三分粥はお米1に対し、お水20という比率のお粥です。スプーンで掬うとほぼ重湯、時々お米。そのくらいの割合です。
三分粥の食事になった瞬間、おかずの品数が増えて「やったーーー!」と喜びました。いろんな味を楽しめるからこそ、ごはんはおいしいのです。修行めし(流動食の重湯)が一生続くことはないとはいえ、三分粥になった途端、1日のスピードが上がった気さえしました。それくらい食事は生きる活力だなと実感しました。
胃全摘後の食事は食べるリハビリです。ゆっくりゆっくり、食道から直接繋げた小腸に負担をかけないよう、食事の練習をしました。
術後6日目(昼・夜)
昼ごはん
おかずもお粥もどれも舌で潰せる柔らかさ。介護食ってこういう感じなんだろうか?と思いながら、30分かけてゆっくり食べます。
・卵のみそ汁
・八宝菜1/2
・卵豆腐1/2
・易消化南瓜サラダ1/2
・三分粥130g
15時間食
謎のゼリーが出てきて、栄養成分をぐぐったらカルシウムたっぷりだったので安心していただくことに。胃全摘しない限り、この年ではそうそう接点のない食品だと思います。
・メイグルト
・プロッカ
夜ごはん
「清汁」が読めなくてぐぐったところ、すましじる、でした。食べても良い食材を覚えながら30分かけて食事を済ませます。
・大根の清汁
・鶏ミンチのマーマレードソース煮1/2
・野菜コンソメ煮1/2
・三分粥130g
・フルーツゼリー
術後7日目(朝・昼・夜)
朝ごはん
卵料理の幅を広げることが退院後の強みになりそうだな、ゆし豆腐も使えるんだな、と考えながらの食事。のりは消化に悪いけど、のりの佃煮はOKなんだなという新たな気付きも。
・ゆし豆腐のみそ汁
・スパニッシュオムレツ1/2
・人参炒め煮1/2
・のり佃煮
・牛乳
・三分粥130g
10時間食
こちらもわたしの年齢ではそうそうお近付きにならない栄養食。
・メイバランス
昼ごはん
南瓜は食材として多用できそう。味付けは薄いのだろうけど、南瓜そのものの味がしっかり濃いので、おかずとして重宝します。そういえば、同じくスキルス胃がんの経験者・おとんも退院後に「南瓜が好きになった」と聞いたなぁ。
・じゃが芋のみそ汁
・冬瓜ンブシー1/2
・南瓜のマッシュ1/2
・果物B1/2
・エンジョイゼリー
・三分粥130g
15時間食
これも初めて口にしたけど、酸味があってなんか苦手だぞ。カロリー補給のために全部いただきました。
・カロリーメイトゼリー
夜ごはん
魚がうまい。魚最高。ねり梅も最高。酸味のアクセントは食事において大事な要素だなぁ。
・かき玉汁
・白身魚のおろし煮
・ウムニー1/2
・大根と豆腐の味噌煮1/2
・ねり梅
・三分粥130g
術後8日目(朝)
朝ごはん
ゆっくり食事をするといっても量が少ないので、20分くらいで食べ終わっちゃいそうになり、手こずり始めた頃。牛乳をゆっくり飲む作戦で時間を稼ぎました。
・南瓜のみそ汁
・玉ねぎの卵とじ(ツナ)1/2
・そぼろあん肉じゃが(鶏)1/2
・かつおみそ
・牛乳
・三分粥130g
10時間食
また出ました、薬局とかに売ってそうな見たことのない栄養食。これはおいしいゼリーでした。
・CUPアガロリー
三分粥は食事の楽しさを思い出させてくれた。
修行めし(重湯)で忘れかけていた食事の楽しさを、三分粥が思い出させてくれました。いろんなおかずをつまみ、それぞれの味付けや食材本来の味を楽しみ、ごはんと汁物でリセットしながら、またいろんなおかずをつまんでいく。そんなの胃がある時は当たり前すぎて意識してなかったけど、人間の三大欲求のひとつ「食欲」はとっても楽しい時間だったんだな、と今となって気付きました。
味わいが全て似てしまう日もあれば、食材の旨みが加わって味に変化がある日もあります。ねり梅の酸味が大きなアクセントとなる日も。塩味・甘味・酸味・苦味・うま味のバランスが取れているメニューだと満足度が高いです。
胃が無くなったため、ゆっくり食べないと具合が悪くなってしまいます。三分粥でここまで考える患者も少ないと思いますが、毎食じっくり食事と向き合いました。