先日、スキルス胃がんで胃全摘したユッキーです。
スキルス胃がん闘病記内の「胃全摘の手術入院【体験記】」では、スキルス胃がんで胃全摘の手術を行った入院についてわたしの体験ベースで綴ります。今回の記事では入院初日の様子をまとめてみました。この日は午後から入院だったのですが、午前中も病院を訪れて各種検査を行うことに…
午後から入院のはずが…
入院は13時の予定でしたが、わたしの手術が急遽決まったためか、入院当日の午前中も検査の時間に費やしました。朝7時過ぎに家を出て、宿泊先のおとんとおかんをピックアップし、8時少し前に友愛医療センターに到着。到着すると取材クルーが待ち構えていました。
わたしがスキルス胃がんについて頭出ししていた一部の方の中から、メディア取材を行いたいという話をいただきました。既に病気を隠すつもりのなかったわたしは「わたしの経験が少しでも世のためになるならばどうぞ!」といったスタンスでお受けすることに。これには、同伴のおとんとおかんは相当引いていました。笑 昔はがんは隠す物だったからね、価値観の違いは否めません。
合間に取材を受けつつ8時から入院手続き→歯科で口腔チェック→外科に立ち寄り→麻酔科で手術の説明とリスクのお話を伺いました。慌ただしい午前中でした。
取材に関して、主治医からのお話
主治医となる二宮基樹先生からお話をいただきました。
同席していた両親向けに、改めてわたしの病状を丁寧に説明してくださいました。この手のガンにしては比較的早めに見つけられたこと。潰瘍があったので生体検査が採れたけれど、もし潰瘍がなければ診断が遅れていただろうことなどなど。
そして本題。今回の友愛医療センターとわたしが受けたメディア取材に関するお話です。
主治医の立場から「スキルス胃がんは簡単な病気ではない。だからこそ、名前と顔を出して取材を受けるのは今後何かの負担になるのでは」とご心配されているとのこと。先生からは「初期のがんではないし、治療も簡単ではない」「大手術」「家族のこともある」といった言葉が並びました。これまで多くの患者を診てこられたからこそのお言葉でしょうし、この時点で腹膜播種がないとは言い切れなかったので、最悪のケースを考えると先生が心配するのも当然だと思います。
一方で、外科医の立場としては「メディア取材は非常に意義のあること」とも言われました。それは大きく2つあると言います。ひとつはコロナ禍を経て末期のがん患者が増えていること。コロナ禍に検診を受けず、手の施しようがない状態の患者さんが増えているといいます。だから検診を受けてほしいという想いをお持ちでした。もうひとつはスキルス胃がんの発見しにくさを消化器内科医に啓蒙したいとのこと。
最終判断はわたしとメディア側に委ねるそうで、「一度メディア側と話し合ってみてください」とのこと。主治医の立場から患者のメンタルを守るところにまで配慮くださったこと、たいへん感謝しています。
さてどうしたものか。二宮先生のお話を受け、わたしも改めて考えてみました。
わたしとしては、自分の身に降りかかったことのアウトプットをこれまでも長く続けてきていますし、顔・名前を出した上でアプローチした方が読者・視聴者に刺さると思います。二宮先生のアドバイス前後で、その考えに変化はありませんでした。やはりオープンな状態で取材を受けよう。
二宮先生とのお話で「難しい病状になればなるほどファイティングスピリッツがわいてくる」という話が印象的でした。ファイティングスピリッツ、いい言葉だなぁ。わたしもすっかり気に入ってしまいました。よーし、頑張ろう。
ランチを食べに泉崎へ
病院から解放されて、時計を見ると入院時間まで2時間あります。これはワンチャンあるで…!!
手術で胃全摘した後、しばらくは麺類を食べられなくなります。ならば、いまのうちに食べておきたい。おとんおかんもあっさり系ならおいしく食べてくれそうだしと、泉崎のトルネコパーパへ向かいました。お店の野崎さんにも挨拶しておきたかったからね〜。
この日もアッサリもちもち トルネコ肉中華そばがウマかったー!入院前の至極の一杯でした。
13時、入院のため再度病院へ。
再度、友愛医療センターに向かい、おとんに車の運転をバトンタッチして両親とはお別れ。この後は取材クルー張り付きで病棟へ向かいました。特に希望を出していなかったのですが、「空いていないから」という理由で病室は個室。かなり上等でびっくりしました。広い!
ここでしばらくインタビューを受けました。意図していた回答ができたかどうか不安ですが、ここで撮れた素材の調理方法は完全におまかせするとして…
14時からマグコロール散68%分包50gという下剤を2つ飲みました。1時間経過し、お尻から水状の便が出てきました。この後ずっとお腹の調子がよろしくなく、翌朝にかけてもずっとゆるゆるでした。
18時、夕飯。わたしの胃が最後に受け止めたごはんです。
21時消灯。寝る前に2錠の下剤を飲みました。これはお腹がピーピーにならないタイプで、翌朝スッキリな感じ。
スキルス胃がんで胃全摘することに対して、怖かったり眠れないといった不安は一切なく。ごく普通に生活し、ごく普通に夜を迎えました。胃がんの名医である二宮先生への100%の信頼を寄せていたからなのか、今後は自由にごはんを食べられないことへの諦めなのか、それともまだ現実味がないのか。ともかく、この夜はよく眠れました。