地方のワーキングママによる退職エントリ
働くカーチャン(ワーキングママ/育児ママ)による退職エントリを書く日がやってきました。それも人口・企業・求人案件が少なく、働き方を様々選べそうにない沖縄でのお話です。地方育児ママの事例としてインターネット上に放り出しておきます。さっそく行ってみよ〜!
これまでの会社とかお仕事とか
会社の雰囲気。
2014年9月〜2019年11月までの5年3ヶ月間、沖縄本社のインターネット系企業に在籍しました。若手社員も多く、常にワイワイ・ワリャワチャ・イケイケドンドンな雰囲気もありつつ、新しいことにチャレンジできる社風でもありました。部署によっては残業バリバリ、でもカーチャンの所属先はメリハリつけて定時で上がる人が多かったです。なので定時退社で保育園に子どもを迎えに行ける勤務環境でした。
インハウスSEO&インハウス広告運用を担当していた。
ここ最近は、全国規模サービスのWEB集客業務、特にSEM領域の担当をしていました。いわゆるインハウスSEO担当とかインハウス広告運用担当とか、そういう役割です。
入社後はサイト内部改善や新規コンテンツの企画・改修・進行管理を行い、産休・育休を経て広告運用を軸にしていました。広告プランニング・設定配信・分析・改善を年中ぐるぐる回してたおかげで、そっち方面にもだいぶ詳しくなったと思います。インハウスはフレキシブルな運用ができる一方、広告代理店を頼らないため知識的に苦労することもありました。運用しながら納得できないことも多々あったけど、総じて楽しかったなぁ。今でも好きなお仕事です。
広告運用担当になった背景
復職後、担当になった流れを書き残しておきます。
マネージャーに「ユッキーさんならきっとハマるから」と言い渡されました。この采配はかなり的中で自分でも相当なハマり役でした。観察力と性質理解による采配は本当にアッパレ。さすがです。広告の運用状態を分析し、浮かんだ改善点をひとつひとつクリアすることでCTR・CVR改善に繋がります。これがゲーム感覚でとても楽しかった。あたしのオタク気質にピッタリ。
ただ、そうなるまでが相当しんどかった。上位レベルの点を教わり、線で結ぶのは自分でやれ的なOJTでした。業務時間100%を目前の売上のために使っている状態で、業務内ではインプット時間が取れず、もちろん帰宅後もインプット時間が取れず、シロウト運用者は泣きながら帰宅する日もありました。マネージャーに檄を飛ばされて成長した結果はあれど、毎日暗黒ドットネットってドメインを購入しそうになったくらい。暫く泣きながら帰宅しつつ、理解が進んでいくと運用が楽しくなり、その後退職が決まったので今は昔です。
産休・育休・復職を経て。
産休・育休・復職を経験し、新しい世界が見えました。1年半近い産休育休から社会復帰する頃には、すっかりインターネット浦島太郎になって職場に戻ったんですね。でも、人事もマネージャーもあたしがインターネット浦島太郎状態と気付かなかったんじゃないかな。それを伝えても真面目に受け取ってもらえず、怠慢に思われていたのかも。育児専用脳だったのにポイッと現場に放り込まれ、フォローなしで仕事の勘を取り戻すのは相当しんどかった。
カーチャン毎に状況は違うかもしれないけれど、育休明けの社員には一定期間フォローがあるといいなぁ。育休に限らず、勉強・病気・怪我・介護など長期休業するケースは様々あるから、ダイバーシティな環境で全ての人がうまく機能できるような世界観が実現するといいなぁ。最前線から長期離脱した人間としては、そんなことを考えました。
勤め先には育児休業明けのワーキングママが多く、それぞれの月齢・年齢で発生するイベント(ケガ・病気など)の情報交換できて心強かったです。フルタイム勤務と育児と寝るだけで24時間なんてあっという間に終わってしまう日々ですが、自分でそれを経験すると世の中の働くカーチャン・トーチャンたちの頑張りがよく理解できます。カーチャンが一個人に戻るのは仕事中くらいですが、ある意味仕事でリフレッシュし、気持ちを新たに子どもに向き合えるメリットを感じます。ダブルインカムの継続で経済的にも豊かになります。自分時間はほぼないけど、育児専念の選択は一度も考えたことはありません。この先も仕事を続けていくと思います。
ぶっちゃけ、退職の理由は?
いくつか転職理由があるので書き出してみます。
沖縄でインハウスSEO担当・インハウス広告運用担当だけをしてくのは厳しいと思った。
いつからか沖縄で長く生活するならインハウスSEO・インハウス広告運用の専任担当ではしんどいと考えていました。沖縄にはそれらのスキルを高く評価してくれる企業は殆どないんじゃないかな。東京には求人がゴロゴロあるけれど、沖縄企業でインハウスSEO・インハウス広告運用の求人があったなら、それは相当な掘り出し物です。求人がないということは、企業として欲しいと思っていないのであり、SEO・広告運用に力を入れたがってる企業がない、と考えました。そんなことをぼんやり考え始めたのはいつからだろう。覚えてないけれど同時に「もっと自分のできる領域を広げなければ、この先沖縄で食っていくのは難しい」と思うようになりました。生きるため・育児のため、自分のできることを広げなければいけません。
追い討ちをかけるようにSEMの頭打ち感が顕著になってきました。競争激化・キュレーションサイトとのいたちごっこ・度重なる検索エンジン側の仕様変更、一層狭く専門性が高くなっていく対策方法・・・。様々な要因から、現状維持ができれば100点だろうなぁと思うんですよね。そこで、思い切ってステージを変えることを考えました。とはいえ自分に合いそうな求人は見かけません。社内でのステップアップも視野に入れつつ、業務をこなしながら転職は長期で挑むことにしました。
サラリーマン人生は残り20年か25年、これから何をするか考えた。
そのうち40歳になるカーチャンは、ことある毎に「残り20〜25年、どうやって働いてこうか」と考えていました。急にポックリ死ぬ事もあるので、働く時間はもっと短いかも。そのうち「仕事を通じて誰かの役に立つ生き方ができればいいなぁ」と思うようになっていきました。そう考えるようになったのも出産・育児が大きく影響しています。人の考えって大きく変わるもんだねぇ。
生涯年収を上げる方法をずっと考えていた。
家庭環境が変わると何かと支出が増えます。でもずーっと収入は増えませんでした。でも引かれる税金は増えてくので、手取りは減ります。で、この先10年後20年後も同じ収入だと厳しいぞなんて思ってたある日のこと。Google金谷さんのツイートが目に入り、飛びつきました。
わかります。年収上げる方法を模索してます…
— ユッキー@毎日ビール.jp (@yukipod) June 8, 2019
その後、金谷さんからリプをいただきます。
いくら上げたいのかにもよりますよね。数万なら今の会社で頑張ればいいかもだし、もう少し待遇の良い会社はありそう。でもある程度の金額になると転職以外の選択肢になりそう。
— 金谷 武明 (@jumpingknee) June 8, 2019
今の会社でも多少は上げられる。それ以上となれば転職。もっともっととなると転職以外の何か(起業など?)、というヒントに受け取りました。このやりとりが頭から離れず、転職熱を上げたのは間違いありません。まず生涯年収を増やすために必要なことを考えました。それは転職だけでなく、社内での職級を上げたりダブルワークであったり様々です。今回の転職では働き方・仕事内容・福利厚生が変わります。これで相対的な満足度も上がるといいなぁ。カーチャンはそれに見合う業績を上げねば!
リファラル採用(社員紹介)のお声がけをいただいた。
今回最大の転機となったのはリファラル採用(社員紹介)のチャンスをいただけたことです。転職先企業のことはは少し前から知っていて、見聞きするうちに「いい企業だなぁ」と思っていました。沖縄に新風を吹き込む存在になってほしいと勝手に願っていたところ、自分がジョインすることになったので驚いています。人の縁に感謝です。どうにかこうにか頑張りたいと思います。
これから何をするの?
これまでインターネット集客をしてきましたが、少し軸をズラした仕事になると理解しています。インターネット集客を含む大枠の仕事になるんじゃないかなぁ。これまでのスタイル同様、この先もブログで業務詳細に触れることは少ないので、今のところこれ以上のことは書く予定はありません。もちろん転職先から求められたら、その時はその時で検討するつもり。
転職までの経緯
わりと予期せぬタイミングで転職することになりました。
先の記述通り、もともと現在のスキルだけでこのまま10年20年働き続けるのは難しいだろうと考えていました。そう思い始めた頃を起点とするならば、半年とか1年前からは担当業務を変えたいな〜と思っていたんじゃないかなぁ。勤め先にも配置変えのチャンスがあればチャレンジしたいと何度か伝えましたが、そこには役割を果たせる担当者がいたこともあり、今すぐには難しいだろうことも理解していました。
また育児と仕事に圧迫され、この2〜3年はインプット量が極端に減っていると危惧していました。情報格差のある沖縄で生きていくためにもインプットは大事です。インプットが減るとアウトプットもうまくいかない、だからこそインプット量は増やし続けたい。だけどデジタル領域の発展は急速で、時間がない・機会もないそんな自分の環境に焦燥していたんですね。だからイベントに顔を出したり、新しいことにも挑戦してみようと思っていました。その流れで様々な人に出会い、転職の機会をいただきました。
今回の転職で一番頑張っていたのは、実はトーチャンだと思います。トーチャンが育児をしてくれるから安心して外に出られるのです。トーチャンなしではセミナー・イベントへの参加は考えらませんし、GoogleイベントでのLT登壇準備や東京出張もできませんでした。家庭をまわしてくれるトーチャンあってのカーチャンの転職なのです。
前職の良いところ/悪いところ
働くカーチャン視点で前職の良いところ・悪いところを書き出してみます。部門やサービスによって全然違うとは思うのですが、あたしが所属していたチームはわりと働きやすかったかな。
良いところ
- 勤務時間を1時間前倒しで働く仕組みがある。時短勤務でお給料を減らしたくないワーキングママを中心に活用している。
- 有給を1時間単位・半日単位・1日単位で使うことができる。
- 保育園からの急な呼び出しや急病で当日休み等あっても休みを取りやすい。
- 定時にピタッと退社し保育園に迎えに行ける。
- 企画・制作・実装まで自社完結型サービスのため、スケジュール調整しやすい。
- 時々、育休中のカーチャンたちが子連れで顔を出してくれるので、その度に癒される。
- 育児ママでもキャリアを積めるし昇格もできる。
- トーチャン社員が1年以上の育児休業に入ったケースがある。ものすごく良いことだと思う。
- まわりに先輩カーチャン社員がいっぱいいて、他部署のワーママたちとの情報交換に助けられる。
悪いところ
- 復職後のフォローアップが足りない点。インターネット浦島太郎のフォローがあれば、もう少し早く現場の勘が取り戻せて効率がよくなったと思う。
- 常に足元の業務で忙しく、インプットの時間が作れない点。Googleの20%ルールのような次に繋げるためのゆとりが持てない。
- 退職意向を表明すると塩対応になる点。詳細は割愛。
第二子はどうするの?
カーチャンの転職エントリーに外せない話だと思うので、第二子の話を加えます。6月にこんな記事を投稿しました。
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「そろそろ二人目を考えたい」と言えないまま、半年が経過した。
一応、書き記しておこうと思い、エディターを開いている。しかし筆が進まない。シンプルな話ではないからだ。これを書こうと思ったのは金曜の夜で、全然思考がまとまらないため実際の着手は土曜の午前で、こういう時 ...
コウノトリを呼ぶ努力はありません。夫婦で話し合う事もありません。同時期に第一子を出産したママ友は、第二子を出産しました。既に二人の子どもを育てる別の夫婦は「赤ちゃんが欲しいって、子どもたちがいうの」とにこやかに話します。そんなにオープンに話せる夫婦の関係が眩しかったなぁ。あたしは断られるのが怖くて言い出せないや。
第一子妊娠まで苦労しました。その後、新生児から2歳頃まで育児がめちゃくちゃ大変でした。あの苦労を再度・・・と思うと、やっぱり二人目は諦めたほうがいいと思います。でもね、このブロックを書いていると泣けてくるんです。スタバで鼻水垂らしながら書いてるよ。こんな感情、何て言うんだろうね。
転職したら第二子は諦めようと頭では理解しています。自分の年齢は40近い、トーチャンも40代半ば。リスクが高いよね。だけど、クローゼットに入っている授乳クッションを捨てられずにいるわけです。人間って矛盾しているなぁ。トーチャンは「抱っこ紐、もういらないよね〜」って言ってます。
「欲しいものリスト」の代わりに、災害支援のリストを。
転職エントリーのシメはAmazonのウィッシュリストというケースが多いようですが、引っ越しもないし特別大変な思いもしてないので、ほしい物リストの記載はありません。もし「ウィッシュリストあるかな〜」と思われた方がいたならば、毎年頻発している災害支援であるとか先日の首里城再建支援をお願いします。
災害支援する
✔︎ ふるさと納税で支援する
ふるさと納税を通じて資金送金を行えます。被災地支援が目的なので基本的に返礼品はありません。ふるさと納税の仲介サイトも手数料をとることなく全額寄付に回しているケースが殆どです。寄付額は自分のお財布と相談して決められるので、支援を検討してみてはいかがでしょうか。特定キーワードで上位にヒットしたサイトをいくつか掲載します。
✔︎ Tポイントで支援する
ふるさと納税よりも簡単なのが、Yahoo!経由のネット基金。溜まっているTポイントを寄付に回せるので、非常にお手軽です。こちらもどうぞ。
首里城再建を支援する
2019年10月31日未明に発生した首里城火災。我が家からもその様子が見えていて、沖縄移住者である私もショックを受けました。再建までどのくらいの月日が必要かわかりませんが、沖縄を象徴するシンボルを再建させる動きがありますので紹介します。那覇市が支援金を集め始めたので、こちらで支援するのがスムーズです。
✔︎ 那覇市に寄付する
那覇市役所での募金と、口座振込による送金ができます。詳細はこちらをご確認ください。
✔︎ ふるさと納税で支援する
那覇市はふるさと納税の窓口も作っています。運営サイト側は首里城火災を「災害」と捉え、通常だと手数料しますが今回は手数料ナシで支援できます。つまり、ふるさと納税経由でも設定金額の全てを支援金として回せるのです。もちろん返礼品はありません。でも減税の対象にはるはず。詳細は下記よりご確認を。
ふるさとチョイス:沖縄のシンボル「首里城」再建支援プロジェクト
終わりに。
沖縄移住後、5年以上もお世話になった会社から離れますが、個人的にはこれでサヨウナラとは思っていません。身一つでやってきた南の島で過ごすあたしにとって、同僚たちとの出会い・交流は生活の糧となりました。狭い沖縄ですから、またいつか同じ目標に向かって働くことがあるかもしれませんし、宴会やせんべろなど気軽に飲みにも誘って欲しいなぁと思ってます。関係者の皆様、これまでありがとうございました。今後もゴリゴリ関わっていこうと思ってます。なんせこんなに小さな島ですからね、嫌でも顔合わせますから。区切りは迎えますけれど、個人の繋がりを大切にしていきましょ。今後ともよろしくお願いします。
終わり。