先日、スキルス胃がんで胃全摘したユッキーです。
スキルス胃がん闘病記内の「診断されるまで」では、わたしがスキルス胃がんと診断されるまでの流れを記録していきます。今回は生体検査の結果が出たと連絡をくれたAクリニックや那覇市立病院からのアクション、そしてわたしの心境についてまとめていきます。
検査を受けたAクリニックから着信
胃カメラの検査を受けてから10日後。朝10時40分、デスクで作業していると、AクリニックのT先生から着信。「生体検査結果が出た」とのこと。少し場所を移して、会話を続けました。T先生は、遠慮がちな言葉を続けます。それに気付いて、良い結果ではないと思いました。先生は言葉を選びながら、慎重に
「普通ではない細胞がみられた」
「病理の先生に見てもらった結果、異常がみられた」
と伝えました。ここでは明確な病名は告げられませんでしたが、「普通ではない」「異常」ということから悪性の何かしらであることが推測されます。
こんな経験は初めてなのですが、電話しながら自分がその場に立っている感覚がよくわからなくなりました。妙に落ち着いているような、立っているのか寝ているのか、生きているのか存在していないのか、よくわからない感覚。マクロとミクロを行ったり来たりしているような、そんな状態です。ともかく動揺しました。
そんな状態なのでデスクに戻ってもふわふわして、しばらく仕事に集中できませんでした。
病気が確定したので職場に報告
とはいえ、やるべきことは進めなければいけません。
職場の直属のチーフには前日のうちに頭出ししていたので、生検の結果、病気が確定した旨をご連絡。業務調整に入っていただくことになりました。そして総務との相談の場を持ち、今回使えそうな会社の制度を洗い出したり、お休みを取るならどんな方法にするべきかなどの調整をすることになりました。
夜、大学同期と飲み
その日の夜は、わたしの数少ない友人との約束がありました。大学時代からの付き合いのSが沖縄出張でやってくるというので、会食の予定にしていたのです。病気が確定しているとはいえ、今さらなにをどう変えたところで病気であることは変わらないし、普通に飲みに行きました。
もうちょっと飲もうと2次会に誘い、「実は今日、検査結果が出て」と重い話を持ち出してみました。Sは頭を抱えてしまいました。そりゃあそうだよね… すまん… その後も少し話を続けて、また会おうと約束してこの日は解散。また会うからな、絶対だからな。
検査結果を受け取りにAクリニックへ
翌日、在宅ワークの日。隙間を狙って、午後にAクリニックへと検査結果をもらいに伺いました。
まずは紹介先となった那覇市立病院について、T先生から「どうでした?」と話しかけられます。「C先生が物腰柔らかな受け答えをしてくれるので、それで安心できました」と率直に思ったことを伝えました。
前日、電話先では明確にしなかった病理検査の結果、それは、やはりスキルス胃がん疑いとなっていました。
T先生は、Aクリニック初診日について話し始めました。「ピロリ菌の除菌もしているし、過去に胃カメラもしている。今回、胃カメラなんてしなくて良いんじゃないか」、そう思いながら経鼻内視鏡をやったそう。いざカメラが入ると、事が事だったので、最終的には「胃カメラやっておいてよかったですね」と言われました。
検査結果を受け取ったこともあってか、T先生は言葉を選ばずにスラスラとお話してくれました。「スキルス胃がんは範囲がわかりにくいから、自分だったら胃の全摘をする」とのこと。胃の全摘?ごはん食べられないじゃん。そう考えてる自分に対し、まるで食い意地が皮をかぶったような人間だな、とも思いました。
このクリニックで受けた経鼻内視鏡はとても楽だったし、病理検査結果が降りるまでは明確な話は控えて不安を煽らないようにしてくれるし、T先生はまだお若そうだけどこれからの地域医療を支えてくれるいい医師だと思います。
2日後、那覇市立病院から着信
16時40分、デスクで作業をしていると、那覇市立病院C先生から電話が入りました。まずはAクリニックから転送された病理検査の結果を「やっぱり、がんのようですね」とご報告。わたしからもAクリニックから電話を貰ったことをお伝えしました。
電話先のC先生は、那覇市立病院で行ったCT検査についても触れてくださり、「CTで見る限りは肺、肝臓、リンパへの転移は今のところなさそう。ただ、腹膜はCTには映らないので、別の検査かもしくは手術時に確認が必要」と教えてくださいました。加えて「急ぎ、いろんな検査を入れても良いですか?」と言われたので、次回の診察時に心電図などの追加検査を行うことになりました。
わたしの罹ったスキルス胃がんは、胃の壁が厚くなるらしいのです。C先生曰く「CTの結果で見る限り、そこまで分厚くなっていない」とのこと。ほんとなんなんだろう。血液検査は全項目良好だし、腹膜播種はお腹を開けなければわからないし、胃の壁はいうほど分厚くないだなんて。見つかりにくいことこの上なし。
電話連絡をもらって、わたしは安心というか決心がついたというか。なんていえばよいのでしょうね、この感覚。病気なのに安堵感という謎に包まれていました。