病気が見つかった後、2週間足らずで亡くなってしまったバンドマンの訃報をみかけました。病気がわかった時点で膵臓がん末期だったそうで、とはいえ、ご本人やご家族たちの気持ちを考えるとツラいものがあります。SNSにぽつりぽつりと流れてくる関係者・ご友人らの投稿を眺めては、早期発見・早期治療の大切さを強く感じています。
わたし的には、人間いつかは死ぬと理解してはいるものの、とてもじゃないけれど他人事ではなくって。
わたしももっと早くに病院に行く選択を取れたはずですが、日常に押し流されて後回しにした結果、病理検査でステージIII Aとなりました。もっと早く診断・治療に踏み切れていれば、ステージはもう少し軽かったかもしれません。そうなれば長髪デンジャーのままでいられたかもしれないのに。
でも、内臓の病気進行はパッと簡単に目視確認できませんから、病院に行く決断をするのが難しいというのも身をもって経験しています。病気と告知される半年前の人間ドックでは病気の所見は見つからなかったですし… まさか病気とは思わなかった部分も確かにあるので…
「なんだろ、なんとなく調子悪いかもな」と思ったら、全てを放り投げて診察に向かって欲しいです。仕事・家庭・育児などあらゆる日常の忙しさ、すでに決まっているスケジュールに穴をあけることの難しさ、そもそも体調の変化に気付かない… 10人いたら10通りの事情があると思うのです。ですが、まだまだ生きたいと思っているならば、どうか近所のクリニックへ。それが病気発見の第一歩になるかもしれません。もし病気でなく健康体だったら超ラッキーです。
わたしが手術後に受け取った病理組織の診断報告書を見ると、「腹膜播種のギリギリ一歩手前のラインだったろうな」とシロウト頭でも思えます。リンパ節や脂肪に播種が少なからず認められていましたから、そのまま放置していれば腹膜播種になり、手術ができなかったでしょう。
わたしは病気がわかってまわりの方々からアドバイスをいただき、医療従事者のあらゆるサポートのおかげで、いまこうしてツイートできています。ある程度、好きに食べ飲みできるし、3〜5時間のスタンディングライブも楽しめる体力があります。人生の楽しみをもう少し続けられそうなのは、本当にまわりの方々のおかげで、心底感謝しています。アドバイスやサポートを間に受けず、胃カメラ検査や手術がもうちょっと遅かったら、いまの自由な暮らしと縁遠い生活になっていたかもしれないぞ、と思うのです。
もちろん、この先の再発がないとは言い切れません。でも、医療とつながる立場(=患者)にありますから、定期的な検査があるので、わたしが病気を発見できなかったケースと比べると多少は長く生きられるはずです。
わたしにはやりたいことがあります。育児もそうですし、推し活もそうですし、老犬介護と看取りが待っています。突然死や事故死の可能性もあるのでなんともいえませんけれど、わたしはやりたいことのためにまだ生きねばと思っています。
この文章を目にされた皆さんはどうですか?まだ生きたいですか?であれば、定期的な検査の機会を大事にしてください。わたし的には健康診断や人間ドックは最低ラインだと思っていて、それでヒットしない病気はいくつもあるのも知りました。もし興味があれば、お手元のスマートフォンなどでぜひ検索して情報を得てください。
今回流れてきたバンドマンの訃報は末期の膵臓がん、X JAPANのHEATHも大腸がん、「愛は勝つ」のKANは症例数が少ないと言われるメッケル憩室がんでした。いろんなアーティストが亡くなるとともに、わたし自身もがんになりましたから、自分を含めまわりやアーティストも歳をとったなぁ、と思います。脳幹出血で亡くなったBUCK-TICK 櫻井あっちゃんは57歳でした。年齢だけ見ると若そうだけど、実際、人間の肉体はじわじわと老化しているんでしょうね…
【追記】ーーーーー
この記事を公開した翌日12月4日、THEE MICHELLE GUN ELEPHANTやThe Birthdayで活躍されたチバユウスケが、食道がんで亡くなったと公式より発表されました。これがわりとショックで… 実は、わたしが仲の良い人たちへがん公表した日は、偶然にもチバさんの病気公表日と同じ(2023年4月24日)で、一緒に戦おうねと勝手に思い続けていたのです…
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自分自身で病気に気付くのは難しいとはいえ、2023年は健康を考える1年でした。最推しのANCHANGや紫/MURASAKIの70代メンバーの健康を祈る気持ちで日々過ごしています。
終わり。