先日、お犬サマーが16歳になった。小型犬の16歳とは、人間に換算すると80歳だそうだ。マジか、すげぇおじいじゃん。
そんなわけで徐々に体の機能は低下し、腎不全にもなるし、腎不全の末期とも言われるし、歯槽膿漏にもなってしまいました。早朝の徘徊もあって、チャッチャッという足音で飼い主は目を覚まします。
目の見える範囲もだいぶ狭まっているように思います。昔はテーブルから落ちてきた人間のごはんに食い気味で狙いに来たけれど、今は足元に落ちても全く気付きません。頭や体を撫でようと視界の範囲から手を伸ばしても、びっくりして確認しています。壁の方に向かって歩くこともあります。おーい、見えてないんかーい、と思うことが増えました。
トイレの粗相が急に増えました。目が見えず小屋の入り口がわからないのかなというケースもありますが、わざと気を引くためにやっている時もあります。判断が難しいところではありますが、1時間に5回ほど片付けをした日にはシビれました。もともとマーキングをしないタイプの子だったので、もしかすると「わしゃートイレに行っとらんぞ!」ばりの老犬性頻尿といいましょうか、なんと言いましょうか。
さすがの飼い主も考えるところがあり、ネットで「老犬 痴呆」とかで検索するわけです。あるサイトに「犬の痴呆は、抱っこを嫌がることがある」と書かれていて、それに心当たりがありました。わたしの抱っこから逃れようと、体をねじって逃げるんですよね…
やいやい、お犬サマーよ。ついにボケちまったんか。
ボケるのは仕方がないとして、ボケの行動で最も困っているのが、トイレではないところでの粗相です。床に粗相するたび、トイレットペーパーと消臭スプレーがジャンジャンバリバリ減っていきます。トイレットペーパーも安いもんじゃありません。これは対策を考えようかねと、ついにマナーベルトを買ってきました。マナーベルトは、これはつまり犬用おむつです。
昔々、若き日のお犬サマーにつけたことがありました。飼い始めの頃、不慣れな環境に不安になったのかマーキングをしたからです。でもその時はめちゃくちゃ嫌がって、自分で脱いでしまいました。16歳を迎えた現在はそんな元気はなく、装着時に抱き抱えるのを嫌う他は特に問題なし。つけてしまえばフツーに生活しています。今朝も起きてすぐ、トイレの小屋ではないところで用を足したようですが、マナーベルトのおかげで片付けせずに済みました。
腎不全に加え歯槽膿漏と、そして老犬用おむつも開始です。老犬介護を通じて自分の行く道を学ばせてもらっている気持ちと、若き日に空を飛ぶように駆け巡っていた姿を思い出してはやるせない気持ちになります。わたしには愛犬家の叔父がいるのですが、可愛がっていたハスキーを亡くした後、もう二度と犬を飼わない宣言をしていたのを思い出します(とはいえ、今も犬に囲まれて生きてるっぽいけれど)。