先日、スキルス胃がんで胃全摘したユッキーです。
スキルス胃がん闘病記内の「胃全摘の手術入院【体験記】」では、スキルス胃がんで胃全摘の手術を行った入院について、わたしの体験ベースで綴ります。今回は手術当日の様子と手術直後、そして術後1〜2日目について。この時が最も痛みが強く、どうしようもないくらいしんどかったです。
5時過ぎに起床、手術準備
手術に向けた準備で連日寝不足だったためか、たいへんよく眠れた手術前夜でした。5時過ぎに目が覚め朝のルーチンをこなします。7時前、看護師が手術着を持ってきてくれました。マジックテープで開閉するワンピース型の手術着に、着圧ソックス、使い捨てのパンツ。パンツっていうかおむつ。
着ました。
この後、持ち込んだ荷物をなるべく運びやすいようまとめ、貴重品は看護師に預けました。
8時45分、手術室へ移動
看護師の誘導を受けながら、手術室へ移動します。取材クルーがいて、手術室に入っていく様子などを撮影していました。
手術室は広く、奥の壁に青いジンベエザメの絵が描かれていました。このあたりでメガネを外し、手術台に横たわって「ふっかふかのベッド!しかもあったか〜」と思ったあたりを最後に、記憶が途絶えました。
HCUで目覚めてから
次に目覚めたのは、15時半頃。場所はHCU(高度治療室)でした。つい腹筋に力を入れてしまい、切った箇所に痛みが走ります。体には様々な線がつながり、左手には定期的に自動計測する血圧計と点滴のライン、足元は血栓予防のフットポンプが付けられています。
このあたり、しっかりと麻酔が残っていて何をしていたか定かではありません。でも、この日執刀された二宮基樹先生が「無事に手術を終えましたよ」とお声がけしてくださったのは覚えています。他には看護師に名前の確認をされ、意識がはっきりしていると確認が取れたのちにiPhoneが手元に届いたり。スマホが手元にあっても体の痛みが強くて気力が削がれ、ご主人サマーに「ICUなう」と送ったきり他に誰にも連絡できませんでした。
痛み止めは2種類。
左手の点滴から流し込むもの、そして背中に入っているものです。どちらも痛みに合わせて自分で促進できます。看護師も二宮先生も「無理せず、痛ければフラッシュして」と定期的に声をかけてくれました。
HCUでは暑いのか寒いのかよくわからない状態でした。暑いから室温を下げてもらったのに、寒くて布団をかぶる。寒いのに汗が出て布団がいらなくなる。アイスノンを使わせてもらって足がひんやりと冷たい。これ、おとんもそうだったらしく「麻酔のせいだ」と言っていました。
体の痛みと設置された機器のピーピー音で、自分が寝ているのか起きているのかよくわからない状態に。そして「なんで胃がんになったのか」「こんな痛い想いをするなら、いっそ半年後に見つかってそのまま死んだほうがよかった」といったネガティブな思考に傾いていました。でもわたしは知っているんです、どんな怪我もどんな病気も3日で山を越すと。だからただ横たわって時間が経過するのを待ちました。
余談ですが、HCUにいるときの頭の中ではSEX MACHINEGUNSの新譜「地獄の暴走列車」から震えとワクチンと廃屋の3曲が脳内リピートしていました。ヘビメタは病を治す。(治さない)
術後1日目、一般病棟に移動
手術翌日の午前中、ストレッチャーに乗せられてHCUから一般病棟の個室に戻りました。終日しんどくて横たわり、iPhoneを触る元気もありません。そこでも暑いのに寒くてやっぱり暑いという混乱状態。暑くて汗が大量に噴き出る。個室だったので空調23度にしてもらって。術後1日目にはガスが出るという話だったけれど、この日は出ず。
この日からリハビリが開始するも、体を起こすだけで血圧が下がり、くらくらして立てる気がせず、ベッドに腰掛ける程度で精一杯でした。
術後2日目、リハビリで歩く
手術から2日目。朝も夜もない生活で1日中うとうとと過ごしました。
午後のリハビリでは廊下を歩きました。廊下半分ほどを2往復。歩いているとお腹の痛みが増すので、それを理学療法士に訴えます。「無理しなくて、できる範囲でいいですよ」とのことで、そのまま痛み止めを打って部屋に戻りました。そして眠気が再び…
その後、看護師さんからも「歩き回ってね」といわれたので部屋の中をベッドからでて一人で歩き回ります。合計3回。個室内のほんのちょっとの距離なのに、歩いた後は眠気に襲われてしまって、相当体力がなくなっています。
リハビリで起き上がれるということは歯磨きもできるだろうと、この日ひさしぶりにやってみました。口の中がさっぱりしたし、マウスピース矯正を入れられてホッとしました。ただ、舌を磨いた時の反射でオエッとなり、それが傷跡に響きます。おちおち身だしなみも整えられない…
疲れているはずなのに、夜は逆に眠れなくて。横になりすぎなのか背中に痛みがあり、看護師に枕を入れてもらいました。それが逆に暑くってかなり汗をかいて、枕は結局外してもらうことに。別の痛み止めを入れてもらって背中の痛みは緩和されるものの、今度は汗が空調で冷やされて冷たくなり、とにかく気持ちが悪かったです。