2023年4月に、スキルス胃がんで胃全摘したユッキーです。
5年生存率を上げるブログ内のスキルス胃がん闘病記では、スキルス胃がんで胃全摘してからの治療の様子を記録してきました。今回は定期検診での経過観察について。手術から1年が経過し、CT検査と経口内視鏡検査(胃カメラ)を行ったので、その様子と結果をまとめてみたいと思います。
手術から1年。定期検査の様子
術後の「定期検査」とは?
定期検査の主な目的は、がんの再発や転移の有無を確認することです。これにより治療効果の確認はもちろん、再発・転移時の早期発見が可能となり、がん患者への早期治療と生存率向上に役立ちます。
原発がんを取り除く手術が成功した場合も、目に見えないがん細胞が体内に残っている確率はゼロではありません。もちろん、医療従事者の皆さんはそうならないよう極力頑張ってくれていますが、病気とはそういうものだと捉えています。そして、術後に新たながんが増殖する可能性もゼロではありません。
そのため、転移や再発がないかを定期的に確認し、所見が見られ次第、直ちに治療してがん細胞を叩く…ということが非常に大事なのです。
どんな検査をするの?
この定期検査には、一般的に血液検査、画像診断(CTやMRI)、内視鏡検査などが行われます。検査項目が多く、辟易するかもしれませんけれど、各種検査には得意・不得意なものがありますから、総合的に判断するにはどれも必要不可欠なのだ、とわたしは納得しています。
もちろん、どの検査だってタダではアリません。お金がかかりますが、もう少し生きてやりたいことがあるわたしとしては、必要経費だと思うようにしてます。
検査のタイミング・スケジュールは?
がんの再発・転移は、手術から5年以内に発生するケースが多いのだそうです。なので、術後5年間は定期検査を続ける場合が多いみたいですね。ただし病院や主治医の治療方針によって期間が変わることも考えられますから、詳細は担当の主治医に確認してみてください。
そして、術後は術後3ヶ月・6ヶ月で検査を行い、その後は3〜6ヶ月置きに定期検査を行うことが多そうです。わたしの場合、術後6ヶ月で血液検査とCT検査、術後1年で血液検査・CT検査・経口内視鏡検査をうけました。
わたしがなった胃がんの場合、手術後5年間は継続的に定期検査が必要なようです。病理検査の結果やステージ、リスクの高い患者の場合は、状況が異なるかもしれません。またがんの種類によっては10年後、20年後に再発しやすいものもありますから、病院と連携してしっかり経過観察を行ってくださいね。
胃全摘したわたしの検査内容
胃全摘の手術を受けた後、さまざまな検査を定期的に受けることで、多角的に再発・転移を確認しています。
正直「血液検査とCT検査くらいでしょ〜?」と思っていたので、他にも加わるとは思っていませんでした。検査予約は必要だし、外来1日で終わらないこともあるし、検査日に体調不良が重なることもあるし、なかなか思ったよう進みません。
が、再発や転移していた場合の早期発見・早期治療のためにもやらねばならんと思い、優先度を上げて受けています。
そんなスキルス胃がんで胃全摘したわたしが、術後1年で受けた検査についてまとめてみます。
血液検査
わたしの場合、外来のたびに受けている血液検査。術後1年の定期検査時も、いつものように採血して検査をしてもらいました。通常の外来時は、主に白血球・好中球・血清鉄・ビタミンB12あたりの数値をモニタリングされ、健康状態を確認してもらっています。
今回の定期検査でも同じように血液検査を行い、各項目の下限値・上限値の異常がないかなどを確認をしました。
CT検査
わたしは半年ごとにCT検査(コンピュータ断層撮影)を受けています。X線で身体を断面状に撮影して、がんの再発や転移がないか確認する検査です。
造影剤を使わない検査もありますが、病気を発見しやすくするためにヨード系造影剤を静脈注射して、CT検査しています。病気の種類、がんの種類、そして持病の有無などによって造影剤の有無があるようなので、症状によって用いるかどうかは変わりそうです。
わたしは造影剤を使ってがん細胞の有無を確認しています。検査前は静脈にルートを取り、水分補給をし、検査室に入ってからはドーナツのような穴のあいた機械に入り、息を止めて撮影をします。
まれに造影剤によるアナフィラキシーの可能性もあるため、検査中は診療放射線技師と看護師がベタづきで立ち会ってくれ、常に体調変化に配慮をしてもらいます。造影剤は24時間以内に尿とともに排出されるそうです。そのため検査後は十分な水分補給と、検査日のアルコールは禁止という話を言い渡されます。
経口内視鏡検査(胃カメラ)
人間ドックなどでお馴染みの、胃カメラ検査。経鼻内視鏡検査と経口内視鏡検査があります。わたしは近所のクリニックで経口と経鼻のどちらも経験していますが、現在通院している総合病院では、経口内視鏡での検査のみとなっています。
経口内視鏡検査は内視鏡スコープを挿入し、食道や胃、十二指腸の状態を視覚的に確認する検査です。わたしのような胃全摘者は、食道・吻合部・小腸を確認し、手術後の状態や転移・再発がないか、またその他の症状がないかなどをチェックします。
ちなみに鎮静剤でボーッとさせてもらうか、ガッツリと寝させてもらってから、検査が開始になります。わたしは鎮静剤・麻酔が効きにくく、胃がん以外の手術や抜歯の際に「痛い」と訴えて鎮静剤・麻酔の類を追加してもらうことが多いです。
そんな過去の実績(?)を伝えていたものの、寝不足だったわたしは鎮静剤ミダゾラム2mgで爆睡し、検査中はもちろん検査直後の記憶がありません。寝て起きてスッキリ目覚めました。笑
腫瘍マーカー検査
そして、このあと腫瘍マーカー検査も控えています。
腫瘍マーカー検査とは、血液中の特定の物質を測定し、がんや再発を調べる検査です。がんの種類に応じて異なるマーカーが用いられます。検査自体は血液検査で行われ、その結果によって治療法の調整や次の診断ステップへと進められます。定期的に腫瘍マーカー検査を受けることで、がんの早期発見に繋がるとされています。
術後1年の定期検査結果は?
血液検査・CT検査・経口内視鏡検査は、いずれも問題なしとのこと。つまり、今のところ再発・転移は見られないようです。
CT検査の画像を見ながら、「摘出した胃・胆嚢・脾臓まわり、肺・肝臓・その他の臓器などに異常なし」「肝臓に嚢胞がありますが、これはよくあるもので、前回(半年前)と変わってない」との説明がありました。
胃カメラの写真も見せてもらったのですが、「食道はきれい(食道がんの兆候はみられない)」「食道と小腸の吻合部もきれい。逆流性食道炎にもなっていない」「小腸の奥まで見に行ってますが、ここもきれい」とのお言葉をいただきました。
腫瘍マーカー検査は次回外来時に検査予定なので、結果が出たらこちらに記載したいと思います。
次回の定期検査は半年後
そんなわけで、スキルス胃がんで胃全摘してから1年後の定期検診は、経過良好な結果となりました。
今回の検査時の気持ち
いつ死んでも後悔したくないと思ったこの1年、わたしは動ける・食べ飲みできる範囲で、好き勝手にやってきました。2024年はいっぱい楽しもうと母子旅もヘビメタ遠征も組みまくっています。それに術後補助化学療法もエスワンタイホウ単独療法になってしまったので、正直、定期検診の日程を決めた頃は憂鬱だったのです。再発しているのではないか?と。
その憂鬱も日を追うごとに薄れていき、日常を楽しむことで不安が頭の中から消え去り、検査日はケロッとした顔だったんじゃないかと思います。単純な性格で、ほんとよかった。笑
定期検査はみんな不安
検査結果の報告を受ける際、主治医が「定期検査の結果の時は、10人中10人が不安な気持ちを抱えられている」と言われていました。その言葉を聞きながら「先生、すみません…!今回の検査結果、全然不安じゃなかった‥!」と思いました。
でも肝が据わったワケではありません。根っからのビビリ&根暗なネガティブ思考なわたしですから、ただ日常が忙しく、そして単純にアンポンタンなだけです…笑。
次回の検査前になると、きっとモヤモヤと不安を抱えていることでしょう。そして日常やスイミングでわーっとなり、今回のようにケロッと受けられるといいなぁ。不安=ストレスは少しでも軽減できる人生にしたいもの。
現在の気持ち
いまは、とにかく再発・転移がないことに感謝の気持ちでいっぱいです。ひとまず、5年生存率を上げるブログとしては、1/5年をクリアしたということになります。
こうしてブログを書き綴れること、好きなバンドを追っかけられていること、お子サマーやお犬サマーと触れ合う時間があることは、1年前のわたしと比べると奇跡のような気持ちです。好きなものを食べてはお腹がピーピー下りまくることだって、まだ慣れないし嫌な気持ちになるけれど、ありがたいことなんだよなぁ。1年前の5月2日はまだ入院していたもんなぁ。
次回の検査は半年後。もしかすると自分で異変に気付いたり、経過観察の外来でなにか問題が見つかることだってあり得ます。それでもきっとこれまでと同じように、わたしは現実を受け入れ、最善を尽くし、そしてやりたいことを叶え続ける人生を目指すと思います。子育てに老犬介護、スイミングとヘビメタの追っかけ。
どれもやり続けるための土台(仕事と家庭)も回さねばなりません。きっとこれからもっと忙しくなるんだろうなぁ。よんなーよんなー頑張るぞー。
最後に
この記事を最後まで読んでくれた、いま健康体な皆さん。日常の「ふつう」は全然「ふつう」なことではないし、生きる時間は有限だし、いつ人生が終わるかは自分では決められないことが多いです。人生には晴れの日も雨の日もあるけれど、どの瞬間もせいいっぱい生き抜きましょう。
終わり。